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播種性血管内凝固症候群(はしゅせい けっかんない ぎょうこ しょうこうぐん、)とは、本来出血箇所のみで生じるべき血液凝固反応が、全身の血管内で無秩序に起こる症候群である。早期診断と早期治療が求められる重篤な状態で、治療が遅れれば死に至ることも少なくない。汎発性血管内凝固症候群(はんぱつせい- )とも言う。 またこうした全身で無秩序に起こる血液凝固が血小板を消耗することにより出血箇所での血液凝固が阻害されることを、消費性凝固障害(しょうひせい ぎょうこ しょうがい、英: )と言う。 == 病態 == 全身血管内における持続性の著しい凝固活性化により微小血栓が多発し、進行すると微小循環障害による臓器障害をきたすとともに、凝固因子・血小板が使い果たされる(微小血栓の材料として消費される。医学的には消費性凝固障害と言う)ため、出血症状が出現する。凝固活性化とともに、線溶活性化(血栓を溶かそうとする生体の反応)もみられる。血を止めるための血栓(止血血栓)が、過剰な線溶により溶解することも出血の原因となる。 ;凝固活性化の機序 :# 敗血症 - エンドトキシンやサイトカインの作用により、単球/マクロファージや血管内皮からの組織因子(tissue factor: TF,かつては組織トロンボプラスチンと言われた)発現が亢進し、また、血管内皮における凝固阻止物質であるトロンボモジュリンの発現が低下するために、凝固活性化をきたす。一方、線溶阻止物質であるプラスミノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)の発現が亢進するため、生じた微小血栓は溶解しにくく、臓器障害をきたしやすい(敗血症に合併したDICの病態) 。 :# 癌、急性白血病 : がん細胞や白血病細胞に発現した組織因子により、凝固活性化をきたす。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「播種性血管内凝固症候群」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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