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教会法(きょうかいほう、、 、)は、広義においては、国家のような世俗的権力が定めた教会に関する法と教会が定めた法を包括した概念であるが、狭義においては、キリスト教会が定めた法のことをいい、世俗法(ius civile)と対比される概念である。最狭義においては、カトリック教会が定めた法のことをいい、カノン法(ラテン語:ius canonicum、英:Canon law、独:Kanonisches Recht)ともいう。以下では主に最狭義のカノン法について解説する。 == 概説 == 教会法は、広義においては、例えば政教分離のような国家が定めた教会に関する法を含む。 キリスト教会が定めた法を意味する「狭義の教会法」には、最狭義の教会法であるカトリックの教会法、つまり「カノン法」(ius canonicum)だけでなく正教会、プロテスタントやその他様々な教派の教会法が含まれる〔『教会法とは何だろうか』26頁〕。狭義の教会法は、各教派の信仰生活の領域だけでなく、教会の統治構造ないし構成、教会行政の規範、聖職者・信者の権利および義務を定める一般法としての役割を持つが、教派によっては、教会法とは言いながらも、信徒や聖職者の単なる信仰生活の心得に過ぎない場合もある。 国家法を中心とした現在の法秩序の下において、教会法は、多くの国では教会という自治的な団体の内部規範に過ぎず、真の法と言えるかについては疑義もあるが、最狭義の「カノン法」は、西ヨーロッパの法の発展について模範とされたきた歴史から、なお学問的に重要とされ、ヨーロッパの大学の法学部では、当然のようにカノン法ないし教会法の講座がある〔『教会法とは何だろうか』はしがき〕。西欧の大学ではカノン法とローマ法の双方を修めた「両法博士」は西ヨーロッパ全土で通用する大変権威あるものであった。後に、教会法学者とローマ法学者は、対立して、多岐にわたる論点で論争を繰り返し、教会法学者を「カノニステン」(Kanonisten)と呼び、ローマ法学者を「レギステン」(Legisten、フランス語読みではレジスト)と呼ぶようになった。 キリスト教会のうちでもカトリック教会は、最も長い歴史を有していることから、あたかも国家による法に比するほどの法体系を有しており、単に教会法という場合、カノン法を指すことも多い。バチカン市国が主権のある国家として国際連合に加入しているのも以上のような歴史に由来する。「カノン」の語源は古代ギリシア語の「棒」とか「物差し」であり、そこから「規準」、「規定」という意味合いを有していた〔『教会法とは何だろうか』4頁〕。 カトリック教会は、カノン法の制定・執行を、一般世俗の権力から独立して、教会内部で行っており、その点でプロテスタントを含めた他の教派と異なる特徴があり、この点が政教分離の概念とも密接に結びついている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「教会法」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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