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数学の各分野、特に数論および組合せ論において、正の整数 ''n'' の分割(ぶんかつ、)あるいは整分割 (''integer partition'') とは、与えられた正整数 ''n'' を正整数の和として表す方法をいう。ただし、和の因子(summand; 被加数)の順番のみが異なる分割は同じ分割とみなされる(順序をも考慮する場合は、順序つき分割または、分割ではなく合成あるいは結合 (composition) と呼ばれる概念となる)。 例えば 4 の異なる分割は次の五通りである。 : 4, 3 + 1, 2 + 2, 2 + 1 + 1, 1 + 1 + 1 + 1. このとき、順序を考慮した合成 1 + 3 は分割としては 3 + 1 と同じであり、同様に合成としては異なる 1 + 2 + 1 および 1 + 1 + 2 は分割としては 2 + 1 + 1 と同じである。 分割の各因子は部分または成分 (''part'') などとも呼ばれる。また、各正整数 ''n'' に対して ''n'' の分割の総数を与える函数を ''p''(''n'') であらわし、''n'' の分割数 (partition function) と呼ぶ。これによれば上記は ''p''(4) = 5 と表せる。なお、''p'' が ''n'' の分割であることを ''p'' ''n'' で表すことがある。 自然数の分割を図示する方法としてヤング図形やフェラーズ図形がある。これらは数学や物理学のいくつかの分野で用いられるが、特に対称多項式や対称群の研究あるいは一般の群の表現論などが含まれる。 == 例 == 整数 4 の分割は # 4 # 3 + 1 # 2 + 2 # 2 + 1 + 1 # 1 + 1 + 1 + 1 で全てである。また整数 8 の分割を列挙すれば # 8 # 7 + 1 # 6 + 2 # 6 + 1 + 1 # 5 + 3 # 5 + 2 + 1 # 5 + 1 + 1 + 1 # 4 + 4 # 4 + 3 + 1 # 4 + 2 + 2 # 4 + 2 + 1 + 1 # 4 + 1 + 1 + 1 + 1 # 3 + 3 + 2 # 3 + 3 + 1 + 1 # 3 + 2 + 2 + 1 # 3 + 2 + 1 + 1 + 1 # 3 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 # 2 + 2 + 2 + 2 # 2 + 2 + 2 + 1 + 1 # 2 + 2 + 1 + 1 + 1 + 1 # 2 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 # 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 となる。本項ではしないが、"+" 記号を省略するために、しばしば分割を成分の列として扱うことがある。例えば、整数 8 の分割 4 + 3 + 1 を三つ組 (4, 3, 1) で表すというようなことである。このような記法を用いると、整数をよりコンパクトな形に書くことができる。例えば、2 + 2 + 1 + 1 + 1 + 1 と書く代わりに、冪記法も利用して (22, 14) と書き表せる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「自然数の分割」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Partition (number theory) 」があります。 スポンサード リンク
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