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斉一説(せいいつせつ、)とは、自然において、過去に作用した過程は現在観察されている過程と同じだろう、と想定する考え方。「現在は過去を解く鍵」という表現で知られる近代地質学の基礎となった地球観。天変地異説に対立する説として登場した。 == 概要 == 条件に変化がなければ、自然現象は同じように繰り返されると仮定することは、地質学だけに限らず科学の基本的な前提であり、これを自然の斉一性原理という。斉一性原理を仮定せず過去を解読しようとするなら、ある現象が生じたのはその当時の自然法則が現在と異なっていたためとする安易な説明につながりやすい。斉一説はひとまず過去も現在と諸条件が同じだと仮定することで、現在生じている過程である現象が説明できるなら、その説明を採用するとする近代地質学の基本的な考え方である。 斉一説のコンセプトは、スコットランドのチャールズ・ライエルの著書『地質学原理』で広く普及した。現在も過去も作用する自然法則は同じであり、現在起きている現象で過去を説明できるとする現在主義と、極めて長い時間をかけて、ゆっくりと連続的に物事が作用することによって、現在目にしている地質構造が生まれているとする漸進主義が混ざったもので、19世紀に近代地質学が成立する過程で、多くの地質学者によって中心となる考え方として述べられてきた。 これ以前の主流は、18世紀の終わりにフランスのジョルジュ・キュヴィエが提唱した考え方で、聖書に書かれているノアの洪水のような破滅的事変が過去に何度もあり、それがいまある地質構造を短期間に作り上げたという不連続的な作用を唱えるものだった。 イギリスのウィリアム・ヒューウェルはキュヴィエの考え方を天変地異説(カタストロフィズム)と名付け、ライエルの考え方を斉一説と名付けて天変地異説に対立する説と位置づけた。そして、斉一説によってそれまで思弁的な宇宙論としてあった地質学が、科学的な地質学として生まれ変わったと宣伝した〔Concept of Uniformitarianism 〕。 しかしながら、現代の地質学では、長大な時間をかけて地質作用が起こることは認めているものの、厳格な漸進主義はもはやとられておらず、激変的な出来事によって説明される説も重要性が認められている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「斉一説」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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