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断熱 : ウィキペディア日本語版
断熱材[だんねつざい]
断熱材(だんねつざい)とは、物理・化学的物性により熱移動・熱伝達(どちらもheattransfer)を減少させるものの総称。熱絶縁材とも呼ぶ。
建築用のものは断熱材、工業用のものは保温材と呼称されることが多い。
また、断熱材の材料を断熱材料、成形製品を断熱材と呼び分けるが現実には混用が多い。
ここでは主に建築材としての断熱材について述べる。

== 概要 ==
断熱(thermal insulation)とは、伝導対流放射による熱移動を防ぐことであり、それを実現しようとするものが断熱材である。JIS〔JIS A 0202 断熱用語 - 5.5 材料、製品およびシステム用語〕。
(物理などの科学分野での断熱とは主に熱移動が無いことを示すが、建築など工学的分野の文脈で断熱を用いる場合は単に熱移動を少なくすることを言う。巷間、熱伝導を防ぐことをのみを断熱ということがあるが誤りである。)
建物の冷暖房の効率化や冷蔵庫など熱を扱う様々な用途に使われている。
建築材としての断熱材は熱伝導を抑えることにより断熱効果を高めたものが多いが、材料中の気泡の対流による熱伝達を抑制し効果を高めた断熱材や材質表面の反射率を高め熱放射を妨げた断熱材料(建築業界では特に遮熱塗料と呼び分けることもあるがこれも断熱材の一種)もある。
断熱材とは熱移動を抑える抵抗の働きをするものといえ、熱抵抗が高い(熱伝導率の低い)素材が用いられることが多い。気体分子密度が低いため熱伝導率が低いが、対流による熱伝達が起きる。逆に固体は対流しないが分子密度が高く熱伝導率が高い(特に金属などの結晶質)。液体は熱伝導と対流を起すため建築用の断熱材に用いられることはほぼ無い(液体の熱伝達特性の良さを活かしたヒートパイプなども一種の保温・断熱システムであるが通常、断熱材とは呼ばれない。)
現在利用されている断熱材には、密度の低いウール状繊維で熱伝導率の低い空気を簡易に保持した繊維系断熱材料や、固体の中に気体の小泡を多量に持つ発泡系断熱材料の利用が多い。
断熱材は冷房暖房のエネルギー効率を高めるために建物で使用されるだけではなく、熱伝達を抑制することが重要なストーブ・冷蔵庫冷凍庫湯沸かし器等の器具の筐体部分、および多くの工業的な応用にも使用される。これらでは対象範囲内と外部との温度差を維持するために利用されている。
また真空中では熱放射のみが起こり熱伝導や対流が発生しない事から、魔法瓶は内層と外層との空間を真空近くに陰圧した二重構造になっており、これにより伝導と対流による熱伝達を防ぐ一方、真空側の面を鏡面にして放射を反射することにより断熱効果を高めている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「断熱材」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Thermal insulation 」があります。



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