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斯波義教 : ウィキペディア日本語版
斯波義重[しば よししげ]

斯波 義重(しば よししげ)は、室町時代前期の守護大名室町幕府管領越前尾張遠江加賀信濃守護。斯波氏(武衛家)6代当主。後に義教(よしのり)と改名。管領として長年に亘って室町幕府を支えた斯波義将の嫡男で、自身も幕府の宿老として重んじられた。
== 生涯 ==

=== 前半生 ===
建徳2年/応安4年(1371年)、斯波義将と正室・吉良氏の嫡男として生まれる。元服して「義重」(よししげ)と名乗った後、従五位下治部大輔に任官。父と同じく3代将軍足利義満に仕え、明徳2年/元中8年(1391年)に叔父の大野斯波家当主斯波義種に代わって加賀守護に任じられ、翌明徳2年(1391年)12月に起こった明徳の乱では父に代わって斯波軍を率いて参陣し、一色詮範と共に山名氏清を敗走せしめた(『明徳記』)。翌年8月に行われた相国寺供養では6騎〔二宮種氏島田憲国島田重憲甲斐将教由宇氏実氏家将光の6騎。〕を率いて参加し、従弟の斯波満種(義種の嫡子)と共に将軍義満の後陣随兵の一番を勤めている〔このときの義重の装いは黒糸威に白覆輪の鎧と地紅直垂を着用し、黄金造の太刀を佩いて黒馬に騎乗していたとされる。〕(『相国寺供養記』)。明徳4年7月10日(1393年)には加賀守護が叔父に戻されている〔分国支配の経験に富む義種に加賀を委ねる事が有利と見た義将の判断(『足利一門守護発展史の研究』)とも、義重の消極的な性格に由来する職務遂行能力の欠如(『室町期の斯波氏について』)とも解される。また、前月に義将が管領に復帰したこととの関連の可能性もある。〕が、幕閣随一の実力者の御曹司として順調に経験を積んでいった。
応永2年(1395年)頃から出家した父に代わって斯波家の家督を継承したと思われ、官も左衛門佐に進んだ。応永5年(1398年)に武衛家の本領ともいえる越前守護に補任、さらに父と同じく信濃守護も兼ねて〔後に信濃は小笠原長秀に交代する。〕、義満よりその所領の仕置きを命じられている。翌年の応永の乱では父と共に幕府方として参戦し、負傷しながらも武功を挙げた。翌応永7年(1400年)にその功績を賞されて尾張守護に任じられた。応永10年(1403年)、嵯峨洪恩院で避難生活〔応永8年に火事で伏見宮御所が焼失していたため。〕を送っていた伏見宮栄仁親王に対し、自身が所有する嵯峨の有栖川山荘を提供する。親王はこの山荘で数年間を過ごし、『有栖川殿(有栖河殿)』と称されている。
義重は義満からの寵愛を受け、その猶子となると共に名を義教(よしのり)と改めている〔6代将軍となった足利義宣が同じく「義教」に改名したため、後代の人は義重の「義教」名義を憚り(『斯波家譜』)、「正三位義重(『新続古今集』)」や「故義重卿(『薩戒記』)」と、「義重」の名で記している。〕。そればかりか、将軍家の宝剣である「腕丸」を自筆の書状と共に賜り〔『斯波家譜』〕〔『室町期の斯波氏について』は改名時期を応永9年正月7日から15日の間と推定する。〕、さらには応永12年(1405年)に左兵衛督に進み、同年7月からは幕府管領に任じられ、新たに遠江守護を加えられた。ここに以降の斯波氏の領国である越前・尾張・遠江の世襲守護職が確立したのである。なお同年には尾張守護所下津城の別郭として、後世にその名が知られるようになる清洲城を築城している。応永15年(1408年)に義満が没すると、その葬儀に際しては将軍義持、舎弟義嗣日野重光(義満の義弟)とともにひきづなを取った。
義満死後は室町殿の地位を継いだ4代将軍足利義持を補佐したが、応永16年(1409年)6月には義持の後見人となった父に管領職を代わり、さらに8月には管領職は義重の嫡男である義淳に任じられて義将はその後見となり、義重はさらにその代行として将軍家御教書に花押する立場となった(『東寺百合文書』)。こうして義将は室町幕府における義将-義重-義淳の武衛家三代の体制を整えたが、まもなく義将は没して、義淳も管領職を解かれたため、斯波氏主導の体制も終焉を迎えた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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