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新感覚派[しんかんかくは]
新感覚派(しんかんかくは)は、戦前の日本文学の一流派。1924年(大正13年)10月に創刊された同人誌『文藝時代』を母胎として登場した新進作家のグループ、文学思潮、文学形式を指す。おもに、横光利一、川端康成、中河与一、片岡鉄兵、今東光、佐佐木茂索、十一谷義三郎、池谷信三郎、稲垣足穂、藤沢桓夫、吉行エイスケ、久野豊彦らを指すことが多い〔川端康成「新感覚派」(文藝 1952年6月号に掲載)〕。 戦前の評論家・ジャーナリストの千葉亀雄が同人の言語感覚の新しさにいち早く注目し、『文藝時代』創刊号の印象を『世紀』上で評論し〔千葉亀雄「新感覚派の誕生」(世紀 1924年11月号に掲載)〕、千葉が「新感覚派の誕生」と命名して以来、文学史用語として広く定着した〔井上謙編『新潮日本文学アルバム44 横光利一』(新潮社、1994年)〕〔川端康成「新感覚派の弁」(新潮 1925年3月号に掲載)〕。モダニズム文学として注目された新感覚派は、同年6月に創刊された『文芸戦線』のプロレタリア文学派とともに、大正後期から昭和初期にかけての大きな文学の二大潮流となった〔板垣信著・福田清人編『川端康成 人と作品20』(センチュリーブックス/清水書院、1969年)〕〔羽鳥徹哉「年譜」(『作家の自伝15 川端康成』)(日本図書センター、1994年)〕。 == 特徴・傾向 == 第一次世界大戦後のヨーロッパに興ったダダイズム、芸術の革命が目指されたアバンギャルド運動、ドイツ表現主義を意識した新感覚派の表現や手法の特徴としては、美術や音楽の感覚の働き方に近く、作風に新しい「ポエム――詩美」が漂う〔川端康成「新進作家の新傾向解説」(文藝時代 1925年1月号に掲載)〕。それは、伝統的な私小説リアリズムを超える言語表現の独立性を強調し、近代という状況・感覚・意識を基調として主観的に把握、知的に再構成した新現実を感覚的に置換・創造する作風、などを傾向としている〔〔横光利一「感覚活動」(文藝時代 1925年2月号に掲載)〕〔〔羽鳥徹哉・原善編『川端康成全作品研究事典』(勉誠出版、1998年)〕。 『文藝時代』創刊号に掲載された横光利一の『頭ならびに腹』の冒頭文、「真昼である。特別急行列車は満員のまま全速力で馳けてゐた。沿線の小駅は石のやうに黙殺された。」の描写に見られるように、20世紀西欧文学の影響による擬人法と比喩の手法を導入し、従来の日本語の文体に大きな影響を与えた〔〔。 川端康成は、新感覚的表現について以下のように説明している〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「新感覚派」の詳細全文を読む
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