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『新明解国語辞典』(しんめいかいこくごじてん)は三省堂が発行する国語辞典の一つ。版元による正式な略称は「新明国(しんめいこく)」だが、ファンには「新解(しんかい)さん」の愛称で親しまれている。項目数は77,500(第7版)。 == 概要 == 語釈や用例に独特の表現を用いており、ファンが多い。主幹の山田忠雄の個性が色濃く反映されている。1996年、赤瀬川原平著『新解さんの謎』でその個性が取り上げられベストセラーになった(なお、赤瀬川以前にも、呉智英や武藤康史など、この辞書の特殊な面白さを指摘する者は多かった)。 また、当初は編者に金田一京助・春彦父子も名を連ねた(しかし、実際には金田一京助は編纂に参加していない)。そのことから、TBSラジオの日曜深夜枠のかつての人気番組「大橋照子のラジオはアメリカン」で、「金田一先生の辞書」としてリスナーによりネタにされ、番組を盛り上げるのに一役買っていた。「恋愛」「動物園」などの項目の説明には、特に「新明解」らしさが出ているとされている。その他にも、およそ他の国語辞典には見受けられない解釈が多数掲載されており、一部の人には人気がある。 前身となった『明解国語辞典』(明国)は、『三省堂国語辞典』(三国)の主幹・見坊豪紀が中心となって編纂されたものである。見出し語の収集は見坊が行い、語釈は見坊、山田らが分担して作成した(二人は東大文学部の同級生であった)。「明国」改訂版発行の後、山田が中心となって作成された改訂版が『新明解国語辞典』(新明解)と改題されて発行された。これは見坊が三国の作成に取り掛かっている間に行われ、事実上見坊を外す形となったため、山田と見坊の間に溝が生じたといわれている。1972年1月9日〔『新解さんの謎』では「一月九日である。それははっきりしている。でもそれが何なのかはぜんぜんわからない。一月十日にはわかったのか。辞典なのに新聞みたいだ」とツッコミを入れられている。〕の『新明解』初版出版パーティで山田の序文に「見坊に事故有り」と書かれていた〔第4版の「時点」には一月九日の時点では、その事実は判明していなかった」となっている(2013年4月のBSプレミアム特番「ケンボー先生と山田先生〜辞書に人生を捧げた二人の男〜』という番組が元になった佐々木健一『辞書になった男』文藝春秋2013年)。〕。 結局、山田は「新明解」、見坊は「三国」を担当するという形で棲み分けを図り、三省堂の小型国語辞書は二つの路線が並立することとなった。「新明解」の「独創的な語釈」、「三国」の「新語に強く簡潔な語釈」というスタイルの違いは、両者の思想の違いから生じている。金田一春彦は、当初は編者の一員であったが、山田の思想に反発して第3版より編集から手を引いた。山田の没後は柴田武が主幹となり発行が続けられている。また、山田の長男で数学者の山田明雄も編集人に名を連ねている。 21世紀になってからの日本語ブームを背景に、「タモリのジャポニカロゴス」(フジテレビ系)をはじめとしたテレビ番組やマスコミでもたびたび紹介されている。 2011年12月現在で7版目。「新明解」の名はブランドとなり、この語を冠した漢和辞典や古語辞典、故事ことわざ辞典、アクセント辞典なども出版されている(この中には、もと「明解」と冠していたものも含まれる)。 『明解国語辞典』『新明解国語辞典』(第6版まで)の累計発行部数は2,080万部。高等学校の指定辞書に採用されることが多く、小型国語辞典の中では売り上げ1位を誇る。 第5版以降では通常版・小型版に加えて、新たに特装版(白を基調としたデザイン)が発売されているが第7版においては現在のところ小型版は存在しない。また第7版ではサイズが従来よりも若干大きくなっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「新明解国語辞典」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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