|
『新春ワイド時代劇』(しんしゅんわいどじだいげき)は、テレビ東京同系列で毎年1月2日に放送している正月恒例の特別番組。 放送日に設定している1月2日は、前身の「12時間超ワイドドラマ」の放送を開始した当時、親局のアナログチャンネル番号が「12ch」だった事に因んでいる。 ==概要== 1978年、東京12チャンネル(現・テレビ東京)の当時の社長中川順が「チャンネルイメージを上げるようなデカイことをやりたい」と〈12時間時代劇〉構想を提唱したのを始まりとする。あまりのリスキーな構想に消極論が社内の大勢を占めたが、中川社長が後へ退かず、結局社運を賭けた大イベントとして実行に移された〔。翌1979年、東京12チャンネルの開局15周年記念の一環として映画『人間の條件』を12時間に亘り放送、翌1980年も映画『宮本武蔵』(中村錦之助版)を一挙放送した〔。その反響の大きさから、1981年からはいよいよオリジナルドラマの制作に乗り出し、同年(『宮本武蔵』の続きを描くということから)それからの武蔵』を放送、以降はテレビ東京オリジナルの「12時間超ワイドドラマ」(放送時間も同日の12時から24時までの12時間)を放送する様になった〔。 2001年からは放送時間をそれまでの12時間から10時間に(日本テレビ系列の『箱根駅伝』中継が14時ごろに放送終了となるため、チャンネルを変えてもらいやすくなると見込み、スタート時刻を14時に変更、終了は今までと同じ24時)短縮したため「新春ワイド時代劇」(2001年と2002年は21世紀の初頭に因み「新世紀ワイド時代劇」)に改題、2010年からは放送時間をそれまでの10時間から、テレビ東京のデジタルリモコンキー「7チャンネル〔テレビ愛知を除くTXN系列5局のリモコンキーも「7チャンネル」である。ちなみにテレビ愛知のリモコンキーは「10チャンネル」を使用している。〕」に因んで7時間に短縮され、放送時間は16時から23時に変更されたが、開始時間帯は日本テレビ系列の『高校サッカー』中継が終了する頃である〔但し、地元校が負けるか勝っても試合が組まれていない場合は別番組になる場合がある。〕。(2013年は17時から24時に放送された。)2014年・2015年は放送時間をそれまでの7時間から5時間に短縮され(18時から23時)、2016年からは放送時間をそれまでの5時間から3時間(21時から24時)に短縮されたため、「新春時代劇」に改題された。現在でもテレビ東京系列の正月恒例の特別番組として継続されている。 2000年までは5部制もしくは6部制だったが、2001年から2005年は4部制、2006年から2010年と2012年・2013年は3部制、2011年・2014年・2015年は2部制、2016年以降は全編制になっており、それぞれにオープニング・エンディングを入れている。中断時間は5~10分で、各局別編成(番組案内・新年の挨拶・ニュース・天気予報など)となっていたが、2010年から2015年は中断せずに放送されていた。 舞台として選ばれる時代は、江戸時代が圧倒的に多い。戦国時代より前を舞台とした作品は全く製作されていない。 最も新しい時代を扱ったのは、1983年の『海にかける虹〜山本五十六と日本海軍』で、太平洋戦争を描いている。昭和時代が登場するのは本作のみで、明治時代以降を描いた作品は、本作と、翌84年の『若き血に燃ゆる〜福沢諭吉と明治の群像』の2作となる。幕末を主に扱った作品、戦国時代の作品も比較的少ない。 先述の通り、局オリジナル時代劇第1作となったのは1981年の『それからの武蔵』(萬屋錦之介主演)だが、同作は96年に北大路欣也主演で『徳川剣豪伝 それからの武蔵』として再び製作された。この例を初めとして、2000年の『次郎長三国志』(オリジナル:1991年)、2001年『宮本武蔵』(オリジナル:1990年)、2004年『竜馬がゆく』(オリジナル:1982年)、2008年『徳川風雲録 八代将軍吉宗』(オリジナル:1986年『同・御三家の野望』)、2010年『柳生武芸帳』(オリジナル:1985年『風雲 柳生武芸帳』)と、特に近年は過去の作品のリメイクが増えている。 最も多く取りあげられている題材は“忠臣蔵”で、1989年の『大忠臣蔵』、1999年『赤穂浪士』、2003年『忠臣蔵〜決断の時』、2007年『忠臣蔵 瑤泉院の陰謀』、2012年『忠臣蔵〜その義その愛』の5回取りあげられている(主題となったのが5回。他年度作品でも挿話として数回登場しており、その回数も含めれば更に増える)。 NHK大河ドラマ原作となった小説を改めて映像化した例も多く、1982年・2004年の『竜馬がゆく』(1968年度大河ドラマ『竜馬がゆく』、原作は司馬遼太郎『竜馬がゆく』)、1988年『花の生涯 井伊大老と桜田門』(1963年度大河ドラマ『花の生涯』、原作は舟橋聖一『花の生涯』)、1990年・2001年『宮本武蔵』(2003年度大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』、原作は吉川英治『宮本武蔵』)、1999年『赤穂浪士』(1964年度大河ドラマ『赤穂浪士』、原作は大佛次郎『赤穂浪士』)、2005年『国盗り物語』(1973年度大河ドラマ『国盗り物語』、原作は司馬遼太郎『国盗り物語』)の5作がある(リメイクを含め8作品)。また2009年の『寧々〜おんな太閤記』は1981年度大河ドラマ『おんな太閤記』のために書き下ろされたオリジナル脚本(橋田壽賀子)を原作として改めて映像化された作品だった。 1980年代を中心に最多の8回に出演した北大路欣也は「テレビ東京の12時間ドラマは、時代劇復権のパイオニアであったと思います」と述べている〔(C.A.L製作の『国盗り物語』・ユニオン映画製作の『白虎隊〜敗れざる者たち』を除く6作全てが東映製作の作品)。 2007年の稲森いずみ主演『忠臣蔵 瑤泉院の陰謀』で初めて女性主人公のドラマが登場、その後2009年にも仲間由紀恵を主演に迎えて『寧々〜おんな太閤記』を放映している。 本放送した年の年末に数回に分けて夕方からゴールデンタイムにかけてネットワークぐるみで再放送するのが恒例化している。また平日昼に放送されている時代劇アワーでも1時間に分割・再編集して放送したり、年によっては6時間分ずつ2日間に分けてオールナイト放送を行ったこともある。 2001年からはBSジャパンでも放送されているが、地上波で前年に放送された作品を放送している〔BSジャパン開局当初は地上波との同時放送を予定していたが、著作権及び肖像権の問題により断念した。〕。2009年から2010年にかけて、毎年三が日明け頃に実施されていた一挙放送(朝〜夕方)が一時的になくなり、「時代劇スペシャル」(現在は終了)枠で、1回1時間の連続ドラマとして分割放送(概ね1月下旬から3月下旬にかけて)されていたが、2011年(1月3日)より1年遅れの一挙放送が復活した。2011年12月5日~9日には2003年放送の『忠臣蔵〜決断の時』を5回(5部に分けた前後編)に分割して放送された〔18:00~19:54の時間帯で放送されるため「MADE IN BS JAPAN」とアジアンマルシェ枠は休止となる。〕。また、2013年12月2日~5日には2012年放送の『忠臣蔵〜その義その愛』を4回に分割して放送された(全7話の放送だったが、最初の3日間はそれぞれ第1話・第2話、第3話・第4話、第5話・第6話の2話連続放送で、最終日のみ第7話を放送)。 冠特別協賛スポンサーはセブン-イレブンが10数年間担当した後、2001年のマツモトキヨシ、2002年のビックカメラ、2003年 - 2008年のベルーナ、2009年のオージオと変遷、2010年以降はヤマダ電機がスポンサーとなった。セブン-イレブンのスポンサー時代は本編放送中に山口良一の進行によるドラマに関する三択式のお年玉クイズ(全12問)があった。また、マツモトキヨシ・ビックカメラ時代でも同様にお年玉クイズを展開した。 なお、セブン-イレブンが当番組のスポンサーだった当時、愛知・岡山・香川県にはセブン-イレブンの店舗がまだ進出していなかったため、テレビ愛知・テレビせとうちはその部分だけ別スポンサーに差し替え及びローカルセールスとなっていた〔岡山県にはその後1997年にセブン-イレブンが進出したため、テレビせとうちも通常のネットセールスとなった(テレビ愛知はセブン-イレブンがスポンサー撤退後にネットセールスに移行)。なお、セブン-イレブンは愛知県は2002年夏に、香川県は2013年春に進出。〕。 2016年現在、最も多く製作に関わっているのは松竹で、14作製作している。これに次いで東映が13作を製作している。その他テレパックが『若き血に燃ゆる〜福沢諭吉と明治の群像』と『宮本武蔵(2001年)』、中村プロダクションが『それからの武蔵』と『竜馬がゆく(1982年)』、C.A.Lが『国盗り物語』・『忠臣蔵 瑤泉院の陰謀』・『戦国疾風伝 二人の軍師 秀吉に天下を獲らせた男たち』を、そしてユニオン映画が『白虎隊〜敗れざる者たち』をそれぞれ製作している。なお、『大江戸捜査網2015〜隠密同心、悪を斬る!』は、制作プロダクションはユニオン映画だが、製作著作はテレビ東京のみである。 そしてテレビ東京系以外の地方局でも1時間あるいは2時間単位に分割されて番販ネットされることがある。ただし、BSジャパンでの遅れネットが定着したことや、経営環境の悪化を理由に、コンテンツ購入を取り止めている放送局も少なくない。2015年現在では、千葉テレビ放送(独立局)が平日昼の時代劇枠で放送したり、年末年始の連続放送として番販ネットが不定期に行われている〔2014年年末から2015年年始にかけて、当該期間の午前中に『炎の奉行 大岡越前守』を放送。2015年2月から3月の平日時代劇枠で『天下の副将軍水戸光圀 徳川御三家の激闘』を放送。〕。 また、独立局のうち普段テレビ東京(系)の番組を多数ネットしている局の中で、関西の3局〔びわ湖放送、奈良テレビ放送、テレビ和歌山の3局。〕 では『高校サッカー』等で中断を挟みながらも同時ネットするのが毎年恒例となっていた(中断を挟んだ後はディレイネット〔高校サッカーは讀賣テレビ放送など広域局でも放送されているが、共同制作機構は独立局(TOKYO MXを除く)全社も参加しており、広域圏である関東・中京・近畿でも各放送局本社所在都府県の試合を優先する〕〔12時間放送の場合は年度によって12時間ドラマを優先して高校サッカーは翌日3日の未明に撮って出し録画放送にしたことや、10時間放送の場合は第1試合に組まれていた場合に限り12時から高校サッカーを放送して、以後10時間ドラマを同時放送するというパターンもあった〕)が、2010年に7時間に規模縮小後はサッカーの生中継と時代劇の全編同時放送が可能になった。逆に東海地方の独立局では長年ネットがなく(前述の年末再放送は何度かネットしている)、三重テレビ放送では1989年12月の開局20周年記念特別番組として「海にかける虹〜山本五十六と日本海軍」を全編放送した時を除いては現在でも毎年ネットされていないが、岐阜放送は2005年に地元ゆかりの2英傑が主人公の『国盗り物語』の同時ネットを行ったほか、7時間に縮小となった2010年以降は同時ネットを行っている。ちなみに福岡県ではTVQ九州放送開局前は、福岡放送(日本テレビ系列)で88年のみ遅れネットで土曜日の午後14:00-16:00枠で放送。TVQ開局前のサービス放送中に、90年に放送されたものを放送した。 放送開始当初はフィルム撮影・モノラル放送(1984年の作品はビデオ撮影)だったが2001年からビデオ(HD-VTR)撮影・ステレオ放送を開始し、また2005年からは字幕放送になった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「新春ワイド時代劇」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|