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首都圏方言(しゅとけんほうげん)は、現代の東京とそのベッドタウンを中心とした地域で広く使われている日本語の新方言である。新東京方言や東京新方言などとも呼ばれる。共通語、東京方言および西関東方言が融合して成立した、この地域の地域共通語である。 首都圏方言の使用地域は、東京中心部および東京への通勤・通学圏が中心である。『首都圏における言語動態の研究』を執筆した田中ゆかりは、1.5%通勤通学圏(総務省が定義する「関東大都市圏(首都圏)」)のうち、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県に該当する地域を首都圏方言の範囲としている〔田中ゆかり『首都圏における言語動態の研究』、2010年、笠間書院。〕。しかし、1.5%通勤圏は茨城県の県南地域や栃木県と群馬県の一部地域にもまたがっており、首都圏方言の影響は広範囲に及んでいる。 == 概要 == 伝統的には、東京市街では、上流階層が多く住んでいた山の手では山の手言葉が用いられ、町人階層・労働者階層が多く住んでいた下町では下町言葉が用いられ、周囲と異なる言語島を形成してきた。一方、伝統的な江戸市中を画する朱引の外側、すなわち武蔵野台地や葛飾低地の在郷などでは西関東方言が用いられてきた。しかし、首都という特性から東京は人口の流動性が高く、東京出身者の郊外移住(ドーナツ化現象)や地方出身者の東京移住(東京一極集中)、東京市街地の拡大による周辺農村地帯の都市化が起こった。とりわけ関東大震災後の時期や高度経済成長の時期に急激に進展し、従来の「下町」「山の手」「在郷」の違いが曖昧化した。 この現象により、東京やその周辺の方言は大きく変化した。在来の在住者は上述の在来の各方言を用い、東京への移住者は、各々の母方言や後天的に習得した東京方言、また義務教育やマスメディアを通じて習得した共通語を用いたが、世代が変わるにつれて、郊外の住宅街を中心とする広い地域で、東京方言・西関東方言・共通語などが融合した口語方言を母方言として獲得し、もっぱらこれを用いるようになっていった。これを新方言の一種と捉えて首都圏方言という。首都圏方言は従来の方言に比べ均質性が強いが、必ずしも厳密に統一されたものではなく、柔軟性に富み、さまざまな要素を取り入れて変化する。 現在、東京およびその近郊で伝統的な方言を話すのは戦前生まれが中心で、団塊世代から下の世代は、軒並み首都圏方言に取って替わられつつある。首都圏で広まった新しい表現は「くだけた共通語のしゃべり口調」としてマスメディアを通じて日本全国に発信され、首都圏だけでなく日本各地の方言に影響を与えている。一方で、地方出身者や郊外からの通勤通学者の増加により、首都圏方言の形成・変化には日本各地の方言が影響を与えている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「首都圏方言」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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