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和製漢語[わせいかんご]
和製漢語(わせいかんご)は、日本で日本人によりつくられた漢語。古典中国語・近代北方中国語の語彙・語法・文法を基盤として参照しつつ、ときに日本語の語彙・語法・文法の影響(和臭)を交えて造語された。古くから例があるが、特に幕末以降、西欧由来の新概念などを表すために翻訳借用として盛んに造られるようになった。日本製漢語ともいう。 「和製漢語」の意味する範囲は論者によって様々であり、統一見解はない〔陳2001。〕。 「共和」〔「共和」は、『史記』周本紀および古本『竹書紀年』で、西周時代に王が一時的に追放された期間、諸侯・貴族の合議制による政治運営が行われた政治体制のことを指して使われている。日本の漢学者大槻磐渓と箕作省吾はこれを、同様に世襲君主がなく貴族や議員の合議制で政治を運営するという点で共通する、欧州のrespublicaの意味も含めるよう、自然な意味の拡張を行ったので、意味の拡張を日本人が行ったという意味での和製漢語である。現代では、地域時代を問わず、世襲君主のいない政治体制を指して使われる。〕のように、古典中国語に用例があっても、新たに日本人が近代的概念・意味を加えて使用するようになった場合も和製漢語に含めることがある〔例えば金田一春彦『日本語 新版(上)』岩波書店、195頁。〕が、たとえ純漢語であっても日本で何らかの意味変化をしているため、意味の拡張だけで和製漢語に認定することには慎重な立場もある〔。 == 幕末以前 == 日本語では古来、中国から大量の漢語、すなわち中国語の単語を借用してきたが、漢語の造語法に習熟するにしたがい、独自の和製漢語を造るようになった。その造語法をみると、まず漢字で表記した大和言葉を音読したものがある。例えば、「火のこと」を「火事」、「おほね」を「大根」、「腹を立てる」を「立腹」とする類である。また、中国語にない日本特有の概念や制度、物を表すために漢語の造語法を用いたものがある。「介錯」「芸者」などがその例である。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「和製漢語」の詳細全文を読む
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