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新生活 : ウィキペディア日本語版
生活[せいかつ]

生活(せいかつ)とは、
*生存して、活動すること。生きながらえること〔広辞苑 第五版 p.1461【生活】。〕〔孟子、虚心上にこの意味の用法あり。〕。
*世の中で暮らしてゆくこと〔。
== 概説 ==
生活とは基本的に、命をつなぎ活動することであり、また生きながらえるために行う様々な活動である。
人は生き続けるためには、少なくとも、何らかの栄養を取らなければならず、(一般に)身体に何かをまとうことで体温を保つ必要があり、また野の雨や風をしのげる場所で眠りをとることを必要とする。つまり食べること、着ること、住まうことである。日本では、そうした生活の基本を漢字で簡潔に表現しようとする時は「衣食住」(いしょくじゅう)などと表現する〔「食衣住」でも良いのだが、「衣食住」のほうが語呂が良いため。〕。「衣食住」の基本は、人が生活していく上で必要な、食(食事)、衣(衣服)、住(居住、雨風をしのげる寝場所)の確保である。
人類の歴史を俯瞰して見ると、実は、人類はその歴史の90%以上、野外での生活(=キャンプ)をして生きてきた〔クリストファー・ロイド『137億年の物語 宇宙が始まってから今日までの全歴史』文藝春秋、2012〕。食べるものを得るために狩りをしたり木の実などを採りまたをし、動物のを身にまとい、洞穴や樹木の陰で雨風をしのぎ眠り、新たな獲物を求めて移動を繰り返してきた〔。(人類学ではこうした人類の社会、生活形態を「狩猟採集社会」と言う。)人類は自然界(山や野や海)に生きている動物や植物を食糧とし、またそれをほとんどそのまま(あるいはわずかに加工して)衣類として用い、自然の地形や樹木等をそのまま活かして眠る場所を確保し、そのように生活してきたのである。そうした一連の行為は、近・現代人が考えるような「苦しみに満ちたもの」というよりは、大自然の生命力を讃えたり、その恵みに感謝したりする行為であった〔そのような行為、自然から食料・衣服・材料などを得ることを(後付けで)「労働」だと解釈するようになったのは、あくまで近代以降のことである。当時の人々にとっては現代人が思うようなことではなかったのである。(「労働」の記事も参照のこと)〕。
その後、人類の中に農耕をする者が現れると、農耕人(民族)たちは(その性質上)土地を占有するようになり、狩猟人(民族)たちを排除しようと暴力をふるってきた歴史がある、と指摘している学者が幾人もいる。また農耕がおこなわれるようになって、他の者が栽培・収穫したものを奪って自分のものにしてしまう者も現れるようになり、それによっても貧富の差が広がりはじめた、と指摘している歴史学者も多い。貨幣の使用も、さらに貧富の格差をもたらしたという。
人類の歴史の中に位置づけてみれば、ごく最近という位置付けになるのであるが、人類の中で自然から離れて都市で生活する者の割合が増えると、他の人々に、狩猟・漁などの、食べ物を得る行為をさせて(ある意味で、他人に押しつけてしまって、自分自身で汗水をたらして働かずに)食糧を得て食べる者も増えた。
さらに、近代になり資本主義化が進められると、大企業なども出現し、組織で何らかの仕事をすることで「給料」という形で貨幣を得てその貨幣を用いて食糧を確保する者の割合が大きくなった。(かつては各部族、各家族がそれぞれ狩猟採集を行い、自分たちが食べる食糧を直接的に得ていた、のと比べると大きな違いがある)。生活の重要な要素である「食糧を得る」ためにすることが、狩猟や漁をすることでも農耕・栽培をすることでもなく、食べ物とは直接的には無関係の何らかの"仕事"をすることで貨幣(給料)を得ること、という人々の割合がますます増えたのである。かくして「生活」の一角に、「金銭稼ぎ」(=「仕事」「職業活動」)が位置を占めるようになったのである。

;近年
上述のように、「生活」というのは、もともと命をつなぎ活動することや、命をつなぐために活動することを指しておりそれが基本の意味であるが、近年では、より柔軟に広範囲のことがらを指しても用いられるようになっている。
また、命をつなげることが当たり前のように可能になることが増えるにつれて、ただ生きながらえるだけ、ではなく、同じ生きながらえるにしてもその「生」の内容、「生」の質も問われることが増えるようになり、「クオリティ・オブ・ライフ (Quality of Life)」という用語でそれが言いあらわされるようになった。
ただし、近年でも基本的に、生き延びるためにあまり必要ではないような行為・要素、例えば極端に贅沢な行為などは「生活」とは呼ばれていない。〔例えば、男性が、仕事に使いもしないのに高価なスポーツカーや模型 等々等々を購入して熱中したり、女性が(実用着でない)ファッション服、ファッションアイテム等 をコレクションしたり、自分の姿をあれこれいじくりまわして悦に入ること 等々は通常、「道楽」や「贅沢」に分類されていて、「生活」には分類されない。命をつなぐのに絶対に必要という領域からはあまりにかけ離れているからである。〕
現代人の生活の具体的な有様は、地域・文化・信仰・年齢・婚姻状態・家族構成・経済状態 等々等々の影響を受けており、実に多様である。住居、家庭の人間関係、学校、学校での人間関係、仕事場・勤務先、仕事での人間関係など、人の生活をとりかこむものを指して「生活環境」と呼ぶことがある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Seikatsu 」があります。



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