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マスメディアの戦争責任[ますめでぃあのせんそうせきにん] マスメディアの戦争責任(マスメディアのせんそうせきにん)とは、マスメディアが国民に事実を報道することを怠ったり、対外強硬論を助長する報道を行うことで、開戦に至ったり戦争の長期化を招くことに対する責任論である。 == 日本 == 右に掲載された画像の場面は、警視庁(検閲の担当は当時軍と対立していた内務省であった)から公開された戦前の広報用写真とされ、実際の様子を再現した写真(内務省関係者が提供)ともされている。日本国と日本国民が大きな被害を受けた第二次世界大戦参戦と、その経緯における「マスメディアの戦争責任」については、2011年にNHK製作によるドキュメント特集「NHKスペシャル:なぜ日本人は戦争へ向かったのか」とのタイトルで、当時の大手新聞と地方紙などの紙面を検証し、さらには戦前のNHK自身の責任にも言及した形で検証番組が放送された。特に1930年代の日本において発行部数が多った読売新聞と朝日新聞及び東京日日新聞では、太平洋戦争開戦前から扇動的な報道が確認されているが、これら一連の報道に煽られたとみられる読者は好戦的姿勢を増していき、政府が対米交渉を進めていた開戦直前には、時の首相東条英機宛ての数百通に及ぶ対米開戦要請の手紙が届けられ、その内容は「開戦を希望する」や「新聞の主張を聞かない臆病者」「世論を無視する卑怯者」との過激な文章も多かったとされ、開戦前提での論調を続けていた当時の大手新聞社の人気コラムと同様の内容で引用まで付けている者もいたとされる。当時の陸軍省や海軍省にも同様の日本国民から送られた好戦的内容の文書が大量に届けられ、それらの膨大な数の手紙は、現在でも歴史的遺物として現存している。最終的には新聞やラジオに扇動された圧倒的世論によって、「もはや開戦不可避」とまでの直接的報道された後に、時の近衛文麿から東条英機内閣に至る政権や軍部も、それらの声に押し切られる形で太平洋戦争開戦を迎えた。その後戦局の悪化と共に神風特攻隊賛美や「敵性言語禁止キャンペーン(英語禁止運動)」など一連のキャンペーンや好戦的な論調をエスカレートさせ、戦争末期には国民から圧倒的な人気を博した神風賦(現:天声人語コラム)などといった「戦意高揚」と「総力戦体制維持」を目的とする各種コラムなどが、それぞれの新聞社で若干の思想的差異が認められるが掲載されており、特にミッドウェー海戦以降は戦局の悪化を知りながら新聞社は大本営発表をそのまま掲載し続けた。これはポツダム宣言受諾による終戦時まで変わらず、最終的には対連合国講和条件に国体(立憲君主制)維持条件以上を要求する論調で、時には複数の講和条件を掲げ、日本軍や日本政府(終戦時は鈴木貫太郎内閣)はアメリカ側に国体護持以上の要求しなければ、本土決戦(日本領であった朝鮮地方と台湾地方の朝鮮民族やその他異民族を含めた計4千万人と内南洋地域までを含めた大和民族約6千万人を合計した当時の「日本国籍者総計一億人」が総玉砕すべしという標語「一億総玉砕」)との標語を鼓舞し、さらに国民を扇動しようとする独善的な社説を載せる新聞社もあった。この際には国民の声を代表する意見として、建前上は掲載していたが、実際には新聞記者自身が思想的に過激化していた事と、既にこの時点で内務省担当課は出征が相次ぎ、人材の枯渇により実務的な検閲能力を失いかけていた事などから、「一億総玉砕キャンペーン」は特異な標語とされ、特に開戦前から過激な論調だった朝日新聞天声人語(戦時中は神風賦)では初期に尾崎秀実などのソ連と内通していた事が後日発覚した対日スパイが、執筆に関係していた事などから、この当時の担当記者や編集部の近衛文麿との昭和研究会を通じた繋がりも明らかとなっており、開戦前の扇動から末期の本土決戦まで一貫して敗戦による最終的な赤化が目的であったとゾルゲ事件で自供した関係者証言からも裏付けられている事から、故意に全面戦争に引きずり込み、日本国及び日本国民を滅亡寸前まで追い詰めた大手新聞社の戦争責任として知られ始めており、現在もメディアと権力の関係を専門とする分野での研究が進んでいる。この時に連合国側と現実的な講和交渉を始めていた停戦派は幾度も新聞社から批難を受けていた事が発覚しており、最終的には国体護持条件のみでのポツダム宣言受諾派(皇道派)に対抗し、本土決戦計画を主導していた主力派閥であり統制派と呼ばれた陸軍内勢力に、特に大きな思想的影響を与え、結果としては後にベストセラー小説となり、戦後映画化も複数回されている「日本の一番長い日」として知られる宮城事件など、終戦間際の一部青年将校らによるクーデター未遂事件まで至る事になる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「マスメディアの戦争責任」の詳細全文を読む
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