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方丈記[ほうじょうき] 『方丈記』(現代語表記:ほうじょうき、歴史的仮名遣:はうぢやうき)は、鴨長明(かものちょうめい)による鎌倉時代の随筆。日本中世文学の代表的な随筆とされ、約100年後の『徒然草』、『枕草子』とあわせ「日本三大随筆」とも呼ばれる。 == 概要 ==
長明は晩年、京の郊外・日野山(京都市伏見区日野町)に一丈四方(方丈)の狭い庵を結び隠棲した。彼が庵内から当時の世間を観察し、書き記した記録であることから「方丈記」と自ら名づけたのが本作品である。末尾に「于時、建暦のふたとせ、やよひのつごもりごろ、桑門の蓮胤、外山の庵にて、これをしるす」とあることから、1212年(建暦2年)に記されたとされる。現存する最古の写本は、大福光寺(京都府京丹波町)が所蔵する大福光寺本であり、これを自筆本とする見解〔川瀬一馬校訂『方丈記』(講談社文庫、1971年)など。なお文庫版は、講談社学術文庫と岩波文庫の他に、現代語入りが角川ソフィア文庫で入門書を含め2種類ある。〕、誤字・脱字や諸本との関係より自筆ではないとする見解〔佐竹昭広「方丈記管見」『新日本古典文学大系 方丈記、徒然草』(岩波書店、1989年)など〕がある。 漢字と仮名の混ざった和漢混淆文で書かれたものとしては、最初の優れた文芸作品であり、詠嘆表現や対句表現を多用し、漢文の語法、歌語、仏教用語を織り交ぜる。慶滋保胤の『池亭記』を手本としていることが指摘されており、かつてはこれを根拠の一として偽書説も唱えられていた。隠棲文学の祖や、無常観の文学とも言われ、乱世をいかに生きるかという自伝的な人生論ともされる。「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」の書き出しで移り行くもののはかなさを語った後、同時代の災厄についての記述が続き、後半には自らの草庵での生活が語られる。さらに末尾では草庵の生活に愛着を抱くことさえも悟りへの妨げとして否定する。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「方丈記」の詳細全文を読む
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