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方言周圏論 : ウィキペディア日本語版
方言周圏論[ほうげんしゅうけんろん]
方言周圏論(ほうげんしゅうけんろん)は、方言分布の解釈の原則仮説の一つ。方言周圏説(ほうげんしゅうけんせつ)とも呼ばれる。
方言のなどの要素が文化的中心地から同心円状に分布する場合、外側にあるより古い形から内側にあるより新しい形へ順次変化したと推定するもの。見方を変えると、一つの形は同心円の中心地から周辺に向かって伝播したとする。柳田國男が自著『蝸牛考』(かぎゅうこう、刀江書院1930年)において提唱し〔初出は柳田(1927)。但し「方言周圏論」の語は柳田(1930)から。〕、命名した。
== 概要 ==
柳田は蝸牛(かぎゅう)を指す方言が、近畿地方では「デデムシ」、中部地方四国で「マイマイ」、関東地方や四国で「カタツムリ」、東北地方九州の一部で「ツブリ」、東北地方北部と九州西部では「ナメクジ」と、近畿地方を中心として同じ方言が同心円状に分布することを発見した。そこで、かつて文化的中心地であったとされる京都では古い順から、ナメクジ、ツブリ、カタツムリ、マイマイ、デデムシのように変化したことから、その時系列と比例して東西南北へ放射状に拡がったものと推定した。

しかし金田一春彦による「方言孤立変遷論」や、長尾勇による「多元的発生論」など、方言周圏論は部分的にしか認められないという批判もある。また1930年刀江書院版に付された分布地図も1943年創元社版では省略され、柳田自身、「発見などというほどの物々しいものでも何んでもない」「今頃あのようなありふれた法則を、わざわざ証明しなければならぬ必要などがどこにあろうか」と述べている。しかし現在でも方言学言語地理学では基本的な仮説の一つとなっている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「方言周圏論」の詳細全文を読む



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