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方言連続体(ほうげんれんぞくたい)とは、複数の近似した言語体系があり、それらの間に明確な境界線がなく、徐々に一つの体系から他の体系に移り変わっていく場合、その連続した言語体系群全体を指していう言葉である。 == 概要 == 方言連続体を形成している言語体系群はある程度の相互理解性や類似性を持つために、同一言語の「方言」と解釈する事も可能である。 しかし、方言連続体が地理的に広く、多くの言語変種が含まれる場合、変種Aと変種Bは通じ、変種Bと変種Cも通じ、変種Cと変種Dも通じるが、変種Aと変種Dはほとんど、もしくは全く通じないという場合も存在する。 例として、ドイツ語の方言連続体は非常に広く、低地ドイツ語に含まれる標準オランダ語と高地ドイツ語を基にした標準ドイツ語の間では相互理解性は低い。標準オランダ語の変化したアフリカーンス語と、高地ドイツ語が変化したイディッシュ語(アシュケナジム・ユダヤ人が使用するドイツ語)では更に相互理解性は低くなる。ドイツの言語学会では(政治的な意図から)従来はこうした差異は方言の範囲としていたが、近年になって北西ドイツ諸方言とされていた言語を低ザクセン語として承認する動きが生じる〔エスノローグ「低ザクセン語」 〕〔国際標準化機構 (ISO) 〕など、逆にかつては単一の言語の「方言」とされていたものが現在では別の「言語」であるとされるケースも増加している(ヨーロッパで顕著な傾向である)。 ロマンス諸語も各語とも一つの方言連続体に属するとする見解が多い〔コンカニ語-言語か方言か フェルディナン・ド・ソシュール「一般言語学講義」内の言語地理学の項で同様の見解がなされている。〕が、フランス・イタリア・スペインという大国の政治的背景から「ラテン語の方言」として扱われる事は少なく、別言語とされるのが一般的である。 客観的判断が下せない以上、言語体系を「方言」とするか「言語」とするかは政治的な意図に左右されるケースが多く、学術的評価は必ずしも拘束力を持たない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「方言連続体」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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