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日待講 : ウィキペディア日本語版
庚申待[こうしんまち]
庚申待(こうしんまち)とは、日本民間信仰で、庚申の日に神仏を祀って徹夜をする行事である。宵庚申、おさる待ちなどともいう。庚申待は通常、村単位など集団で行われ、その集り()のことを庚申講(こうしんこう)、庚申会(こうしんえ)、お日待ちなどという。
== 概要 ==
庚申待は中国の民俗宗教である道教の伝説に基づくものである。「庚申待」の語源は諸説あるが、「庚申祭」がなまった、といわれている。主に男性がその行事に当たる。人間の頭と腹と足には三尸(さんし)の虫(彭侯子【上尸】・彭常子【中尸】・命児子【下尸】)がいて、いつもその人の悪事を監視しているという。三尸の虫は庚申の日の夜の寝ている間に天に登って天帝(「閻魔大王」とも言う)に日頃の行いを報告し、罪状によっては寿命が縮められたり、その人の死後に地獄・餓鬼・畜生の三悪道に堕とされると言われていた。そこで、三尸の虫が天に登れないようにするため、この夜は村中の人達が集まって神々を祀り、その後、囲炉裏を囲んで寝ずに酒盛りなどをして夜を明かした。これが庚申待である〔 「年中行事事典」p297 1958年(昭和33年)5月23日初版発行 西角井正慶編 東京堂出版〕。60日に1回は庚申(かのえさる)の日が巡ってくるので、場所によっては6回または7回行うところもある。また「庚申様」は月のモノや出産の汚れを嫌うというので、女性は主に飯の準備や片付けが役目である〔タイムスクープハンター(NHK総合1ch 11:30~0:00)2013年5月11日放送分 第6話『眠ってはいけない戦国』番組内説明〕。庚申待を3年18回続けた記念に建立されたのが庚申塔で、今も各地に残っている。
日本には古くから伝わっていたものと考えられており、平安時代から行われ、当初は公家や僧侶がやっていて、すごろくや詩歌管弦を楽しんでいた。『枕草子』にも庚申待の話が登場する。江戸時代に入ってから、民間にも広まった。庚申信仰は今では廃れたが、親睦会などに名前を変えて今でも庚申待を行っている地方もある。
庚申待ではとにかくその日は徹夜で過ごさなくてはならないため、眠らないように、顔にスミを塗ったり、胡椒をかけたり、太鼓を叩いたりしたという〔タイムスクープハンター(NHK総合1ch 11:30~0:00)2013年5月11日放送分 第6話『眠ってはいけない戦国』番組内説明に登場する資料→大分県の記録より。〕。また籠城中の兵士達も庚申待を行っており、カフェインが入っている茶を飲んで眠らないようにした〔タイムスクープハンター(NHK総合1ch 11:30~0:00)2013年5月11日放送分 第6話『眠ってはいけない戦国』番組内説明に登場する資料→1583年 九州の記録より。〕。
庚申に関する戒めに
『年に六度の庚申を知らずして 二世の大願は成就せぬ』〔タイムスクープハンター(NHK総合1ch 11:30~0:00)2013年5月11日放送分 第6話『眠ってはいけない戦国』番組内説明に登場する資料→『庚申待祭祀縁起』(奈良県 金輪院 所蔵)より。〕
庚申待をしなければ幸せになれないという戒めである。人々は幸せを信じて庚申待を続けていた〔タイムスクープハンター(NHK総合1ch 11:30~0:00)2013年5月11日放送分 第6話『眠ってはいけない戦国』番組内説明〕。
仏教では、庚申の本尊を青面金剛および帝釈天に、神道では猿田彦神としている。これは、庚申の「申」が猿田彦のと結び付けられたものと考えられる。また、猿が庚申の使いとされ、庚申塔には「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿が彫られることが多かった。山王信仰(三猿信仰)もここから生まれたとされている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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