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日本の棚田百選 : ウィキペディア日本語版
棚田[たなだ]

棚田(たなだ)とは、傾斜地にある稲作地のこと。傾斜がきつく耕作単位が狭い状態において、水平に保たれた田が規則的に集積し、それらが一望の下にある場合は千枚田(せんまいだ)とも呼ばれる。英語では、 rice terraces と表現される。
また、棚田と同様に傾斜地を段状にしたは、段々畑(だんだんばたけ)という。
== 日本の棚田 ==

=== 概要 ===



日本の稲作の適地は、安定した水利を得られることに加えて、流れていく用水の管理が容易にできる土地である。土地には元々傾斜があるが、傾斜が少な過ぎる土地、および排水しづらい土地は湿地となるため、安定した稲作を行うためには、一定の農学土木技術が必要であった。また、灌漑をする場合はある程度の傾斜が必要であり、傾斜があまりにも少ない河川下流域の沖積平野は、江戸時代以前は稲作をするのに不適当であった。すなわち、近世以前の稲作適地は、比較的小規模で緩やかな沖積扇状地、小規模な谷地、あるいは小規模で扱いやすい地形が連続する隆起準平原上などが主力であり、いずれも河川の中上流域が中心であった。これらの土地は緩やかな高低差があり、一つ一つの田の間に明確な高低差が生じて広い意味での棚田を形成することになる。
近世以降は灌漑技術が向上し、傾斜が少ない沖積平野でも、水路に水車を設けて灌漑や排水が出来るようになり、現在、穀倉地帯と呼ばれるような河川下流域の平野での稲作が広まった。
西日本は、地形的に急峻な山地がいきなり海に没する地形が多く、また沖積平野も比較的狭いところが多い上に、耕作適地は古くから高度に農地化されていたため、江戸時代、干拓を含めた沖積平野の開発の余地が乏しくなると、藩経済の基盤の石高を増やすため、今度は急傾斜の山岳斜面上に水田がつくられ、現在でいう棚田が多くつくられた。その際、伝統的な石垣構築の技術を生かし、少しでも収量を増やすため、棚田の畔(あぜ)や土手(どて)の部分(土坡、どは)は、極限まで収量を上げるために急な傾斜に耐えられる石垣でつくられた。
一方、東海地方北陸地方以東の東日本は、比較的広い沖積平野に恵まれていた上に、太平洋側を中心に低開発状態の洪積台地河岸段丘面の農地開発の余地が大きく、日本海側を中心に扇状地でも開発の余地が広く存在したため、江戸時代に至っても、急峻な山地の傾斜面を切り開いて棚田をつくるまでに至らなかったところが多く、棚田はあまりつくられないか、つくられた場合でも畔や土手は傾斜が緩やかな土盛りとなり、西日本とは対照的な棚田風景となった。なお、東日本・西日本に関わらず、漁港の適地が海沿いの山に囲まれた入り江であることも多かったため、漁港から離れた平地の領地争いに敗れた漁村では、漁港近くの山に漁民の主食用の棚田がつくられる例がみられる。
戦後は稲作の大規模化・機械化が推し進められ、傾斜に合わせて様々な形をしていた圃場は、農業機械が導入し易い大型の長方形に統一されて整備された。(急傾斜)棚田ではこのような圃場整備や機械化は難しかったが、土木技術の進歩で大規模化に成功した山間地の棚田も多い。ただし、西日本の(急傾斜)棚田では、大規模化をしようとすると斜面を大きく削らなくてはならず、のり面の土砂崩れ対策など付帯工事の費用が莫大となるため、大規模化されなかったり、営農放棄されたりして荒廃していくところも多く見られた。
なお、稲作には灌漑が必要であるため、現在残る(急傾斜)棚田でももちろん灌漑設備が整っている。ただし、山間地にあるため河川は上流であり、日照りが続くと水量が簡単に減ってしまって水田が干上がってしまう問題があった。そのため、最寄の河川以外からも用水路を延々と引いたり、ため池を築造したりして天水灌漑を行ったりした。それらの方法が困難な場所は、田の地下に横穴を設け、湧き水や伏流水など地下に涵養された水を利用する場合もある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「棚田」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Terrace (agriculture) 」があります。



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