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日本マランツ株式会社(にほんマランツ)は、かつて存在した音響機器・映像機器・通信機器メーカーである。2005年4月1日に株式会社ディーアンドエムホールディングスと合併し、消滅。同日をもって、マランツブランドの製品の企画・開発は同社に、販売は同社の子会社で同日新たに設立された株式会社マランツコンシューマーマーケティングに引き継がれた。 == 概要 == 前身はポータブルラジオやテープレコーダーなどを製造販売していた「スタンダード工業」。ポータブルラジオにおいてはトランジスタなど基幹部品の自社製造は行わないものの、弱い電波を確実に捕捉する受信性能の良さや、超小型トランジスタラジオ『マイクロニック・ルビー』シリーズに代表される小型化において設計開発力・実装技術を発揮していた。その社風はSTANDARDのブランドと共にアマチュア無線機・業務用無線機などの通信機事業部に引き継がれ、ハンディ型や車載型(モービル型)のトランシーバーを長年得意としたが、1998年から2004年頃にかけて通信機事業、拠点および関連資産のほとんどを八重洲無線や株式会社CSRなどに順次売却・譲渡し、通信機器分野からは撤退している。 1968年にスーパースコープ社と提携し、後に資本参加を得たことでアメリカの高級オーディオブランド「マランツ」製品の設計・生産に携わる。1975年に社名が「日本マランツ」となるとハイエンド製品も日本での設計・生産が中心となっていく。「SUPERSCOPE」「unix」など、マランツ以外のブランドでラジカセやミニコンポなどのゼネラルオーディオ機器も生産していたが、対米輸出を強く意識した製品企画やデザインは日本の家電市場において、やや浮いた存在であった。 1980年末にデジタルオーディオ技術を持っていたフィリップスへ売却される。フィリップスは当時発売直前だったCDの普及を図る上で、電球など生活家電の印象が強いフィリップスとは別のブランドで製品を展開したい意向を持っていた。一方スーパースコープがその後約10年間に亘り本国である北米・カナダ地域のみでマランツブランド製品のビジネスを独自に継続したため、対米輸出偏重の日本マランツはものづくりの大幅な転換を余儀なくされる。まずはフィリップス開発のCDプレーヤーにマランツのブランドがつけられ、生産を担当。続いて最新のフィリップス製部品を数多く搭載した自社のCDプレーヤーを開発し、日本のオーディオ誌などではデジタルオーディオ分野で先行するメーカーと一気に肩を並べる存在となる。製品の音質検討に用いるスピーカーもスーパースコープ傘下時代のアメリカ製品から徐々に欧州製品へ移行、1994年からは一貫してB&W社のスピーカーを用いている。フィリップスの影響は音作り以外にも及び、特にプロダクトデザインの分野では1989年頃から欧州製品を思わせるスマートなデザインの製品群を続々と発表。1990年代後半には10万円クラスのプリメインアンプに高さ110mmのスリムな筐体を採用したり、2000年代後半からはフロントパネルを縦に3分割し両サイドを奥行き方向にラウンドさせた独特な筐体デザインを採用している。 フィリップスの傘下から独立しデノンとの経営統合を経た2002年以降は映像機器やAVアンプへの取り組みを強化する一方、2010年からはDLNAやAirPlayに対応したネットワークオーディオプレーヤーを投入するなどオーディオ製品にも再び積極的な姿勢を見せている。 デノンとの経営統合前から行っていたイギリスB&W社製スピーカー、アメリカaudioquest社製接続ケーブルの日本国内での輸入代理店業務は親会社にあたるディーアンドエムホールディングスディストリビューター営業部に引き継がれている。かつてはフィリップスの音響・映像製品やデンマークバング&オルフセン社製オーディオ機器の輸入代理店をしていた時期もある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「日本マランツ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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