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日本国憲法改正草案 : ウィキペディア日本語版
憲法改正論議[けんぽうかいせいろんぎ]
憲法改正論議(けんぽうかいせいろんぎ)とは、国政の基本原理である憲法の改正をめぐる議論のこと。「改憲論」、「改憲論議」、「憲法論議」ともいう。本記事では主に日本国憲法憲法改正を巡る議論について記述する。
== 概説 ==
日本国憲法は、形式上、大日本帝国憲法の改正手続を経て制定された。制定経緯、制定法理などの詳細は日本国憲法を参照のこと。なお、硬性憲法である日本国憲法は1947年に施行されて以来一度も改正されたことはない。
日本国憲法の改正は憲法上に第96条で規定されている。衆議院参議院それぞれの所属議員の三分の二以上の賛同によって発議され、国会から国民に提案され、国民投票での過半数の承認によって成立し、天皇が国民の名において憲法と一体をなすものとして公布される。現在の憲法は戦後の占領体制下で公布されたものであるため、国際法においては日本GHQによる占領統治を終え主権を回復した1952年4月28日を以て無効棄却と同時に新憲法制定が可能であるという憲法無効論も存在するものの、政府も国民も現在に至るまで「有効な最高法規」として適用し続けており、いわゆる改憲派は、現憲法上の規定に基づいての改正あるいは新憲法制定を唱える者が大多数となっている。なお、憲法改正における日本国民有権者は、国内の選挙や地方自治体の住民投票とは別途に国民投票法により定められる。
日本国憲法施行以来、自衛隊の合憲化や天皇元首化を提言する側からの憲法草案がいくつも発表されてきた。いくつか例を挙げると、中曽根康弘(1961年)、維新政党・新風(2003年〔「<維新政党・新風>政策: 基本政策方針[憲法]、国体憲章案・日本国憲法案(第一次案) 」2003年11月改訂〕)、愛知和男(2004年〔「愛知和男公式サイト/Life work(平成憲法・愛知私案) 」2004年4月〕)、読売新聞(2004年)、 PHP総合研究所(2004年〔江口克彦、永久寿夫: 編『二十一世紀日本国憲法私案』 PHP研究所、2004年。 (二十一世紀日本国憲法私案 条文(全文) 〈PDFファイル〉)〕)、自由民主党(2005年〔「新 憲 法 草 案 」(PDFファイル)、自由民主党、2005年10月28日〕)、創憲会議(2005年〔「創憲会議 新憲法草案 」「21世紀の憲法と日本」有識者懇談会(民間憲法臨調)、2005年10月28日〕)、大石義雄中川八洋などのものがある。
なお、自民党「憲法改正草案大綱(たたき台)」(2004年11月17日)は、ときの防衛庁長官中谷元の要請に応えて防衛庁勤務の三等陸佐が作成した「憲法草案〔「陸自幹部の『憲法草案』(全文) 」 憲法会議、2009年7月28日閲覧〕」を採り入れていたことが判明。「自衛隊に使い勝手のいい(=容易に軍事行動を起こせる)改憲案だ」との批判を受けて撤回した。
主要な左派革新派が過去に社会主義的改憲を主張したこともある。しかし、近年は憲法改正反対派が主流となっていることから、主要な左派・革新派から日本国憲法の改正案などの発表はされていない。
* 日本社会党(現在の社民党)は、当初、「日本に社会主義社会を確立する」と社会主義的改憲を主張していた。現在は護憲を方針としており、改憲論議自体に反対している。
* 日本共産党終戦直後、昭和21年6月29日の制憲議会において日本共産党の野坂参三は「戦争には自衛戦争侵略戦争があり、憲法で侵略戦争は禁止しても自衛戦争は認めるべきではないか」と答弁し〔「第九十回帝国議会衆議院議事速記録第八号」14頁〕、日本人民共和国憲法草案をもっていた。現在は綱領を改定して護憲を方針とし、改憲論議自体に反対している。

政党などの憲法に関する意見表明としては、平和人権を強化する「護憲的改憲」(日本新党など)、21世紀の日本のかたちを構想して自由濶達に議論する「論憲」(民主党)、創造的議論で国家権力の恣意的解釈を許さない基本法にする「創憲」(民主党)、憲法9条は別として新しい人権を加える「加憲」(公明党)、憲法を活かす「活憲」(辻元清美など)、憲法を修正する「修憲」、米国憲法のように補正を加えていくなどの「追憲」、「廃憲」などの造語競争が起こっている。自民党のなかでも野中広務官房長官は改憲に反対であった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「憲法改正論議」の詳細全文を読む



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