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日本型排外主義(にほんがたはいがいしゅぎ)とは、2014年2月22日に名古屋大学出版会から出版された書籍の名称。著者は樋口直人。現代の日本における「在日コリアンに対する排外主義運動」を批判している書籍である。なぜ日本型排外主義というのが起こり、そしてどのようにして人々が集まるようになってきたかが国内外のデータや調査を元として述べられている。インターネットが普及してから人々というのは、テレビで報道されていない事柄を発見できるようになり、これに加えて動画サイトに投稿されているデモ活動の動画のインパクトから参加者を引き付けているということが特徴としている。外国人参政権と国境問題の争点が組み合わされていることからも排外主義が起こっているとし、中国脅威論が台頭してきた頃に尖閣諸島中国漁船衝突事件が発生し、これにより国境地帯の安全保障化が進み、同時に本来には無関係である外国人参政権も安全保障問題と結び付けられていったと主張している。 目次 プロローグ 序 章 日本型排外主義をめぐる問い 1 排外主義運動の勃興 2 誰が排外主義運動に馳せ参じるのか 3 なぜ排外主義運動に馳せ参じるのか 4 在日コリアンと 「在日特権」 をめぐる問い 5 「正常な病理」 から 「病理的な正常」 へ —— 事態の解明に向けて 第1章 誰がなぜ極右を支持するのか—— 支持者像と支持の論理 1 西欧における極右研究の蓄積 2 なぜ極右は発生するのか —— 先行研究の整理 3 誰がなぜ極右を支持するのか —— 経験的研究による検証 4 極右政党研究の 「ノーマル化」 とその先へ 第2章 不満・不安で排外主義運動を説明できるのか 1 社会運動研究における不満・不安の位置づけ 2 大衆社会論と排外主義運動 3 競合論と排外主義運動 4 代替的な説明図式 5 排外主義運動のリアルな把握に向けて 第3章 活動家の政治的社会化とイデオロギー形成 1 活動家の多様性とミクロ動員過程 2 イデオロギーと政治的社会化 —— 緩やかな説明変数と被説明変数 3 政治的社会化の過程 4 排外主義を受容する土壌 第4章 排外主義運動への誘引—— なぜ 「在日特権」 フレームに共鳴するのか 1 構築される不満 —— 問題の所在 2 運動と個人のフレーム調整 3 活動家の語りにみるフレーム調整過程 4 「在日特権」 フレームの共鳴板 5 排外主義運動との運命の出会い 第5章 インターネットと資源動員—— なぜ在特会は動員に成功したのか 1 インターネットと排外主義運動 2 インターネットと動員構造の変容 3 排外主義運動へのミクロ動員過程 4 資源動員をめぐる後発効果 第6章 排外主義運動と政治—— 右派論壇の変容と排外主義運動との連続性をめぐって 1 ミクロ動員から政治的機会構造へ 2 言説の機会構造 —— 分析視点 3 言説の機会構造と排外主義運動の関連 4 ネットカルチャーと排外主義運動 5 右派論壇の鬼子としての排外主義運動 第7章 国を滅ぼす参政権?—— 外国人参政権問題の安全保障化 1 外国人参政権問題をめぐる日本的特殊性 —— 問題の所在 2 デニズンの権利と安全保障化をめぐる日本的特質 3 外国人参政権問題の日本的展開 4 外国人参政権をめぐる脱安全保障化 第8章 東アジア地政学と日本型排外主義—— なぜ在日コリアンが標的となるのか 1 東アジア地政学と在日コリアン —— 問題の所在 2 分析枠組み —— 民族化国家としての戦後日本 3 二者関係によって何が進むのか —— 在日コリアンの変遷と地方市民権 4 本質主義と外国人排斥の正当化 5 日本型排外主義を生み出すもの エピローグ 補 遺 調査とデータについて == 外部リンク == *日本型排外主義 « 名古屋大学出版会 *『日本型排外主義』 樋口直人著 評・開沼博(社会学者・福島大特任研究員) : 本よみうり堂 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) *紙面掲載した書評をご紹介 「図書新聞」の書評コーナー *『日本型排外主義』に見るヘイトスピーチ *〈東アジア諸国に反感持つ若年層〉/「日本型排外主義」の著者・樋口直人氏に聞く | 朝鮮新報 *ヘイトスピーチと排外主義 根本的な対策のために | 聖教新聞 *安倍流とナチ流 酷似するが… 国民だましの手口いまや通用しない | 赤旗 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「日本型排外主義」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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