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日本型社会民主主義(にほんがたしゃかいみんしゅしゅぎ)とは、社会民主主義の主流である西欧の社会民主主議(民主社会主義とほぼ同義)とは異なった質を持った日本での社会民主主義主流に対する表現。主に日本社会党(現・社会民主党)の志向性を指す。 なお、自民党が統治した1990年代までの日本を、政府の経済活動への介入の強さや株式配当を重視しない経営文化などから、一部の人が日本型社会主義、または日本型社会民主主義と呼ぶこともあるが、思想・イデオロギー・政治運動としての社会主義・社会民主主義とは無関係である。また、議会中心の平和革命という意味では日本共産党にも通じるところがあるが、日本共産党は自他共にあくまで科学的社会主義を絶対的党是として標榜すると認められており、社会民主主義政党と評する向きはない。 ==概要== 1945年(昭和20年)に結成された日本社会党は、結党当初は西欧社会民主主義に通じる右派が優勢だったが、1949年(昭和24年)総選挙での大敗北とそれを受けた第四回大会での森戸・稲村論争により、左派優位が確立していった。1955年の両社会党統一後も、この傾向は変わらなかった。 左派は、マルクス主義の強い影響下にあった。社会主義協会など日本社会党内左派勢力は、戦前の労農派の流れをくみ日本共産党とも対立関係にあった。いわゆる労農派マルクス主義である。社会主義協会などは、1950年代まではマルクス・レーニン主義には距離を置いていたが、1960年代から急速にマルクス・レーニン主義を志向し自らも名乗った。 日本社会党の特殊性は、マルクス主義勢力が主導的役割を果たしたことで説明できる。 *アメリカ帝国主義と日本資本主義勢力に対する強い対抗性・戦闘性 *ソ連・中国など共産主義国(社会主義国)に対する親近性 *社会主義革命の追求 *階級政党論 などである。しかし一方で、 *暴力革命を否定し、議会を通した平和革命の路線をとる *いわゆる民主集中制を事実上否定し、党内分派(派閥)の存在を認める *社会主義インターナショナルにも加盟している という特徴がある。このうち、平和革命は日本共産党も総路線として認識しているが、共産党は社会党が否定した民主集中制を21世紀になった現在も取り入れ続けていることや、また共産党は社会主義インターを認めず、社会主義インター自体も後にマルクス・レーニン主義を否定したという意味で、日本社会党の目指すものとは異なる。 この特徴が最もよく現れた党文献は、左社綱領とプロレタリア独裁を事実上肯定した「日本における社会主義への道」である。 日本社会党の左翼性や安全保障政策に反発して1960年(昭和35年)に結成された民社党は、西欧社会民主主義を標榜したが、日本の社会、政界で常に少数勢力でしかなかった。アメリカCIAが、「左派穏健勢力」に資金提供し、民社党結成を促していたことが2006年(平成18年)7月18日、アメリカ国務省の外交資料集に公開された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「日本型社会民主主義」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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