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日本政治 : ウィキペディア日本語版
日本の政治[にほんのせいじ]

日本の政治(にっぽんのせいじ、にほんのせいじ)は、日本国憲法に定められた体制に基づいて行われる。そのため、日本は、立憲主義に基づく国家であると言える。また、日本の行政司法は、憲法国会が定める法律以下、明文化された法令等に基づいて行われる。そのため、日本は法治国家であると言える。
日本国憲法は、主権国民に存する国民主権を定める。また、政治上の権力行政権立法権司法権の三権に分け、それぞれを内閣・国会・裁判所に配する権力分立の体制を定める。国会を国権の最高機関とする議会制民主政治が行われ、国会と内閣の協働による議院内閣制が採られる。さらに、「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」として、世襲君主である天皇を置く。天皇は国政に関する権能を有しないと憲法で定めており、内閣の助言と承認により「国事行為」を行う。
日本国憲法はまた、地方自治を定める。日本の地方自治は、全国を47の地域に隈なく分けた都道府県と、都道府県の中をいくつかの地域に隈なく分けた市町村の、2段階の地方公共団体によって担われる。すべての都道府県と市町村には、各々、議事機関である議会と執行機関である首長(都道府県知事市町村長)が置かれる。地方公共団体は、法律の範囲内で条例を制定することができる。
日本国憲法の三大原理としてよく挙げられるのは、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3つである。日本の政治は、この3つの原理と、その根本にある個人の尊重(個人の尊厳)を基調として行われる。
== 国制・政体 ==
日本の国制(国家の形態)もしくは政体について、講学上、日本は立憲君主制を採る立憲君主国であるとする意見が一般的である。政府見解では、「わが国は近代的な意味の憲法を持っており、その憲法に従って政治を行う国家である以上、立憲君主制と言って差しつかえない」とし、「もっとも、大日本帝国憲法(明治憲法)下におけるような統治権の総攬者としての天皇をいただくという意味での立憲君主制でないことも、また明らかである」とする〔1973年6月28日参議院内閣委員会、政府委員吉國一郎内閣法制局長官答弁〕〔1988年10月11日参議院内閣委員会、大出峻郎内閣法制局第一部長答弁〕。しかし、憲法学上では一部反論があり〔例えば、佐々木弘道や憲法学者の芦部信喜など。〕、また共和制共和国)とする議論もある〔例えば、憲法学者の松井茂記。〕。
立憲君主制であることの根拠は、次の3つに集約される。まず第一に、公選の大統領などを置かないことから共和制であるとは言えないこと。第二に、世襲君主たる天皇を持つこと。第三に、近代的意味の憲法を持つことから専制君主制ではないこと。以上から、日本は立憲君主制を採る立憲君主国であるとする。
一方、共和制であることの根拠は、君主に措定された天皇が、国政に関する直接的・実際的権能を有していないことを最大の根拠とする。現に、政治上の権力を行使するのは、司法部を除き、公選された者を中心として構成され、共和制に準じる体制を採る。さらに、法律によって首相公選制が施かれた場合には、大統領を置く共和制とほぼ変わりなくなる。以上から、日本は共和制を採る共和国であるとする(但し、公選首相を天皇が親任(任命)するという形になれば共和制とは言えなくなる)。
他方、君主制、民主制といった区分によるよりも、民主主義国家と呼ぶのが実態に沿っているとの立場もある〔これは、政体とは、古代にアリストテレスによって説かれた「統治権の所在」によって、君主制、貴族制、民主制といった政治形態を区分する考えであり、近代以降、ファシズム国家、政教一致国家、軍部独裁国家の出現などにより、そういった区分方法自体が現実に適合しなくなったとする見解に基づく。大日本帝国憲法の下では、日本の政体は国体思想と一体になって語られ、「天皇親政の神権国家」(「国体明徴声明」)、君主制国家であった。ここでは、統治の主体としての天皇には、統治される客体としての臣民が呼応した。帝国憲法に対して、日本国憲法の下では、日本は君主制国家でも民主制国家でもないとする。その理由として、第一に天皇は「国政上、一切の実質的権能を持たない」象徴であると規定され、第二に君主規定がないので「立憲」君主は存在しないとし(但し、他国の例を見てもすべての君主国が君主規定を明文化しているわけではない)、第三に統治権も国民のみにあり(但し、「国事行為」は事実上の統治権である。内閣の決定に基づかねばならないということであって、天皇による権力の「行使」自体を否定しているわけではない)、また戦前のように「臣民」ではなく「国民」であり、第四に「民主」という日本語は大正時代に「君主」の対概念として作られたものであり(但し、それだとdemocracyを誤訳・誤解していることになり、正当な政治学とは言えない)、日本では天皇機関説の排撃のように、君主と民主は同時に並存しない、と捉えられてきたことなどを挙げる(だがその考え方でいけば、イギリスやオランダ、ベルギー、スペイン、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーなどの国々は民主主義国家ではないということになり、大きな矛盾であって、論理的には無理がある)。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Politics of Japan 」があります。



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