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2階建車両(にかいだてしゃりょう)とは、2層の客室構造で設計・製造された鉄道車両・自動車のこと。英語では「ダブルデッカー (Double Decker) 」と呼ばれる。1両あたりの床面積を増やして乗車定員を増強したり、2階席の眺望を付加価値とする目的で採用される。 キャンピングカーには居室を2層構造としたものもあるが、走行中に乗車するための構造ではないため、2階建車両として扱われない。 == 概要 == 一般的には通常の車両よりも屋根の地上高を高く、1階部分の床の地上高を低くして2層の居住空間を確保している。鉄道車両で台車間の車両中間部分のみを2階建て構造とする場合には1階と2階の床面積はほぼ同等となるが、バスの場合は1階の客室がホイールベース間に制限されることから、2階の床面積の方が広い場合が多い。鉄道車両でも前後に連結された車両への通路を2階に通すなどのために2階部分が台車上まで広がり、バスと同様に1階よりも床面積が広くなっている場合がある。 鉄道車両の運用では、通常の車両より視点が低く眺望に劣る1階席と、逆に視点が高く眺望に優れている2階席とで、等級や料金を分けている場合がある〔日本で2階席をグリーン席、1階席を普通座席とした車両の例としては、「マリンライナー」用の5100形車両、「グランドひかり」用の100系電車、「あさぎり」用の371系電車と20000形電車「RSE」など。総2階建て新幹線車両「Max」のE1系電車とE4系電車では、一部の車両の2階のみにグリーン席を設け、他の車両は2階も普通席である。〕。 バスの運用では、1階部分を荷物置き場やフリースペースとしている例もある。 車両の全高が高くなることにより、重心が高めになることからロールが大きくなりやすいほか、車体の前面投影面積および表面積が増すことから空気抵抗や空力騒音が大きくなる。このような理由から、東海道・山陽新幹線では運行速度の高速化を重視し、300系以降の車両では2階建車両を採用していない。鉄道よりもロールが大きくなりがちなバスの2階席は通常の車両よりも横揺れが大きく感じられる。一方で通常の車両よりも床が低い1階席はロールセンターに近くなることから、通常よりも横揺れが小さく感じられる。 車室内の構造上、限られたスペースに設けられた階段を利用するため、乗客や乗員の移動に時間がかかる欠点を持つ。1階部分も車両両端部より床が低くなっていて、移動制約者の利用に配慮が必要となる〔日本の場合、2階建車両でも車端部は平屋であるため、移動制約者はたいていこの部分に誘導されることが多い〕ほか、車内販売に使用するワゴンの通り抜けに難がある。一方、プラットホームが低い海外の鉄道では、1階部分に扉を設けることで、乗降を容易にできる場合もある。 また、前述した走行特性の悪化や車両限界、法令や道路周辺の構造物による制限から、全高をやみくもに高くすることはできず、各階とも通常の車両より天井が低く、居住性がやや悪くなる傾向にある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「2階建車両」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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