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時制(じせい)、時称(じしょう)、あるいはテンス()とは、発話の中で規定される言語学的な時間を示す文法範疇である。一般に動詞の標識として現れるが、名詞に時制が現れる言語もある〔オットー・イェスペルセン「文法の原理」(1924)第20章〕。日本語では、非過去の「ル」と過去の「タ」で表される。 == 時制と時間 == 時制と時間は異なる概念であり、区別しなければならない。時間を表現できない言語はないが、時制を持たない言語はある。例えば中国語は、「」(昨日)、「」(明日)などの時間の副詞を持つが、時制はなく、動詞は変化しない。 * (私は昨日学校へ行った。) * (私は明日学校へ行く。) 文から時制を除いた部分を SoA (state of affairs) と呼ぶ。時制は、単に出来事の時間を示すのではなく、SoA を位置づける時点を情報の受け手に指示するためのものである。例えば次の英語の文では過去形が用いられている。 * (ジョンは先週のパーティーで一人の女性と出会った。リンダという名だった。) 女性の名前は現在も であるが、それを先週のパーティーに位置づけているのである。 以下の同じ意味の日本語とフランス語は、どちらも現在の状態に基づく発話であるが、過去時制が用いられている。 * あっ、ここにいたのか。 * これは、そこにいることに気付かなかった過去を振り返っているためである。 時間はしばしば過去・現在・未来に三分されるが、この三者に対応する時制があるとは限らない〔。英語やドイツ語を含むゲルマン語派の時制は非過去と過去であり、非過去が現在と未来の両方を示す〔。日本語、ドラヴィダ語族、ハンガリー語なども、同様に非過去と過去の区別を持つ。一方、ケチュア語を始めとする南アメリカの諸言語や、ユカギール語は非未来と未来の区別を持つ〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「時制」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Sequence of tenses 」があります。 スポンサード リンク
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