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最高指揮官(さいこうしきかん、英:Commander-in-chief)とは、国家において、その国の軍隊を指揮監督する最高の権限を有する地位である。ここの意味での「最高指揮官」は、軍隊の指揮系統(en)の頂点に位置する。最高指揮官の有する軍隊に対する権限を、最高指揮権または統帥権という。 国家の制度設計上、最高指揮官をどのように規定するかは、その国の政軍関係の基本となる。元首が最高指揮官とされている国が多いが、例外もある。近代においては、文民統制の観点から最高指揮官を非軍人とする一方、立法府による軍隊に対するコントロールを及ぼそうとする体制もある。 == 大統領 == 大統領又は首相など、選挙などで選ばれた国家の長が最高指揮権を持つとされている国。 :アメリカ合衆国 :: ::アメリカ合衆国の各軍の最高指揮権は合衆国大統領にある。ただし、議会への配慮を定めた戦争権限法が1973年に成立している。 :イエメン ::イエメン共和国では、イエメン共和国憲法(en)第110条により、共和国大統領が軍の最高司令官と規定されている。また、同憲法第37条によれば、共和国大統領は、国防会議の議長となり、国家とその平和の防衛に関する問題を担当する〔松本弘 「第1章 イエメン共和国 」『中東基礎資料調査-主要中東諸国の憲法-』 日本国際問題研究所、2001年。〕。 :イスラエル ::イスラエル国では、憲法の一部であるイスラエル基本法(en)の軍に関する基本法第2条により、イスラエル国防軍は首相を長とする政府の権限下にあり、国防大臣が政府を代表して軍に責任を持つとされる。他方、国防軍の最高司令官は参謀総長と定められている。参謀総長は、国防大臣の推薦に基づいて政府が任命し、国防大臣に従属する〔臼杵陽 「第2章 イスラエル国 」『中東基礎資料調査-主要中東諸国の憲法-』 日本国際問題研究所、2001年。〕。 :エジプト ::エジプト・アラブ共和国では、1971年憲法(en)の下においては、国家元首である共和国大統領が軍の最高司令官とされていた(第150条)。なお、宣戦布告については国会の承認を先に得ることが必要である〔池田美佐子 「第3章 エジプト・アラブ共和国 」『中東基礎資料調査-主要中東諸国の憲法-』 日本国際問題研究所、2001年。〕。2011年革命に際し、エジプト軍最高評議会によって1971年憲法は停止されており、憲法改正が行われる予定である。 :韓国 ::大韓民国では、大韓民国憲法第74条により、大統領に統帥権があると規定されている〔総務省大臣官房企画課『韓国の行政 』〕。 :シリア ::シリア・アラブ共和国では、1973年制定のシリア・アラブ共和国憲法(en)第103条により、大統領を全軍の最高司令官と定めている。大統領は、軍の最高司令官としての職務のため必要な決定や命令を発布することができる〔宇野昌樹 「第5章 シリア・アラブ共和国 」『中東基礎資料調査-主要中東諸国の憲法-』 日本国際問題研究所、2001年。〕。 :チュニジア ::チュニジア共和国では、チュニジア共和国憲法(en)第44条において、大統領が軍の最高統帥者と定められている〔岩崎えり奈 「第6章 チュニジア共和国 」『中東基礎資料調査-主要中東諸国の憲法-』 日本国際問題研究所、2001年。〕。 :トルコ ::トルコ共和国では、1982年制定のトルコ共和国憲法(en)の下、国家元首である大統領が統帥権を有するものとされ、軍の出動命令権や参謀総長の任命権を行使する(第104条)。大統領は、最高司令部の代表者であり、トルコ大国民議会の精神に忠実であることが求められる(第117条)。 ::一方で、トルコは共和国参謀本部を置き、参謀総長がトルコ軍の司令官である。有事の際には、大統領に代わって軍の最高司令官の任務を遂行する(第117条)。参謀総長は、内閣の指名に基づき、大統領が任命する。参謀総長の権限は法律によって定めるものとされ、かつその任務・権限に関し、首相に対して責任を負う〔澤江史子 「第7章 トルコ共和国 」『中東基礎資料調査-主要中東諸国の憲法-』 日本国際問題研究所、2001年。〕。 :ロシア ::ロシア連邦では、ロシア連邦憲法の下で、連邦大統領に統帥権が認められている〔『[ミニ時典]ロシア首相とは 』 読売新聞 1998年3月25日朝刊。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「最高指揮官」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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