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有珠善光寺 : ウィキペディア日本語版
有珠善光寺[うすぜんこうじ]

有珠善光寺(うすぜんこうじ)は、北海道伊達市にある寺院。「善光寺跡」として国の史跡に指定されている。
== 歴史 ==
伝承によれば、平安時代天長3年(826年比叡山の僧であった円仁(慈覚大師)が胆振国有珠郡に堂宇を建て自ら彫った本尊阿弥陀如来を安置したことが寺の開基とされている。室町時代コシャマインの戦いの際に災され一時荒廃した。
* 1613年慶長18年)、松前藩の藩主松前慶広が有珠に如来堂を再興し、阿弥陀仏を安置して「善光寺」と称した。
* 1638年寛永15年)、松前家7代家老下国宮内尉慶季が鰐口を奉納。
* 1663年寛文3年)、有珠山噴火。降灰により家屋が埋没し消失。5名の死者が出る。
* 1666年(寛文6年)、美濃国の僧円空が有珠へ来訪し、善光寺に木造の仏像を奉納、有珠山へ登ったと思われる。
* 1704年宝永元年)、越前国の修行僧正光空念が善光寺を訪れ、大乗妙典法華経一部を奉納(『元録納経記』より)。
* 1716年享保元年)、津軽今別の本覚寺五世住職であった貞伝が、善光寺に阿弥陀如来像を奉納。
* 1717年(享保2年)、火災が発生し、本堂のみ残る。
* 1726年(享保11年)、磐城国興仁寺住職宝洲が善光寺を訪れ、大乗妙典納経塔を奉納。上総国市原郡古敷谷光明寺の八世住職頓阿和尚が一光三尊阿弥陀如来石仏を寄進。
* 1753年宝暦3年)、飛騨屋久兵衛の名で善光寺に半鐘が寄進。
* 1804年文化元年)、徳川家斉が善光寺を含む蝦夷地内の3か寺を官寺に定める(通称「蝦夷三官寺」。他の2か寺は日高国様似郡等澍院釧路国厚岸郡国泰寺)。荘海が初代善光寺住職に任命。
* 1805年(文化2年)、2代目住職鸞洲(らんしゅう)が現在の石割さくらを植樹。
* 1817年(文化14年)、辨瑞上人がお経をアイヌ語に翻訳して布教。
* 1822年文政5年)、有珠山噴火し胆振国虻田郡のアブタコタン全滅。死者・行方不明者103名、役僧らが被災者の救助にあたる。胆振国山越郡ヤムクシナイ(現在の八雲町山越内)に避難。この時建てられた阿弥陀堂が、後の円融寺の前身。
* 1835年天保6年)、本堂を修復。
* 1836年(天保7年)、庖厨を修復し、有珠へ戻る。
* 1853年嘉永6年)、有珠山噴火し胆振国山越郡長万部に避難。このとき建てられた堂宇が後の光明山善導寺の前身。
* 1858年安政5年)、道宇修復し、有珠へ戻る。
* 1897年明治30年)、鐘楼建設、梵鐘新鑄。
* 1907年(明治40年)、本堂屋根の葺き替え。
* 1919年大正8年)、地蔵堂完成。
* 1920年(大正9年)、庫裡屋根の葺き替え。
* 1930年昭和5年)、鐘楼新築工事完了。
* 1936年(昭和11年)、地蔵堂屋根葺き替え。
* 1948年(昭和23年)、地蔵堂畳替えと、本堂増設。
* 1949年(昭和24年)、梵鐘新鑄。
* 1950年(昭和25年)、境内が北海道指定史跡となる。
* 1959年(昭和34年)、本堂、庫裡の土台替え工事。
* 1964年(昭和39年)、有珠郷土資料館落成。
* 1974年(昭和49年)、境内が国の史跡に指定〔。納骨堂建設。
* 1988年(昭和63年)、本堂、庫裡の修復工事終了。念仏堂新設。
* 1990年平成2年)、地蔵堂の修理工事。
* 2000年(平成12年)、有珠山噴火し一時避難。
* 2005年(平成17年)、版木・経典・文書・器物など62点が「蝦夷三官寺善光寺関係資料」として国の重要文化財に指定。
* 2011年(平成23年)、有珠郷土資料館跡地に宝物館新設。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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