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朗読劇 : ウィキペディア日本語版
レーゼドラマ
レーゼドラマ(Lesedrama)とは、上演を目的とせず、読まれる〔なお、ここでいう”読まれる”とは、個人による黙読、小集団での朗読の両方を指す。〕ことを目的に書かれた、脚本形式の文学作品のこと。ブーフドラマ(Buchdrama)とも言う。戯曲の一種とされる。対義語はビューネンドラマ(Bühnendrama)。いずれもドイツ語で、レーゼは「読む」、ブーフは「本」、ビューネンは「舞台の」という意味である。
なお、英語における「クローゼット・ドラマ(Closet drama)」は、ほぼ同義の概念である。また、「書斎劇」という漢字語も存在する〔集英社世界文学事典。クローゼット・ドラマの訳語として紹介されている〕。
シナリオ(映像作品の脚本)の形式で書かれたレーゼドラマを、レーゼシナリオという場合もある。
==代表作==
レーゼドラマの代表作として、ミュッセの『戯れに恋はすまじ』(1834年)が挙げられよう。『ヴェネチアの夜』という芝居の初演が不評だったミュッセはその後、読まれるための戯曲を志向し、前掲作も収められた戯曲集は『肘掛椅子の中での観物』と名づけられた。ここに収められている戯曲には多すぎる場面転換などの実演上困難な仕掛けがあり、これは文学的な必然性のみからなされたのではなく、かつての不評から観客に不信感を抱いたミュッセがわざと上演の障害をもうけたためだと見る向きもある〔岩波文庫版巻末の解題にそのような見解が書かれている。〕。しかし、「上演不可能に書かれている」ということは、レーゼドラマの必要条件ではない。
他には、ジョン・ミルトンによる『闘士サムソン』(1671年)、太宰治の『新ハムレット』(1941年)、ゲーテの『ファウスト(とくに二部)』(1808年1833年)、シラーの『群盗』、フローベールの『聖アントワーヌの誘惑』〔『芥川龍之介全作品事典』(勉誠出版)。『誘惑-或るシナリオ-』という項目(571頁)、参照のこと。〕、北村透谷の『蓬莱曲』などが、その例にあたる。トーマス・ハーディの『覇王たち』も叙事詩劇などと呼ばれた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「レーゼドラマ」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Closet drama 」があります。



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