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望遠レンズ(ぼうえんレンズ)は、写真レンズの分類の1つである。スペックの点から見た分類では「望遠レンズ」を定義する厳密な基準はなく、標準レンズよりも「画角の狭いレンズ」・「焦点距離が長いレンズ」ということになる。レンズの構成から見た分類としては、一般の望遠鏡と同様の、全体として凸レンズの性質を持つ前群と、凹レンズの性質を持つ後群から成っていて、光学的な焦点距離が鏡筒より長いレンズのことで、この意味ではその逆のレンズを逆望遠と言う。望遠鏡のように遠くを写すために、また近距離にある被写体を大きく写すために使われる。 == 特性 == 望遠レンズは、以下の特性も持つ。焦点距離が長くなるほど、その特性がより顕著になる。 ; 切り取り効果 : 画角が狭いため、狭い範囲を切り取るように写すことができ、主題を強調できる。 ; 圧縮効果 : 近くの被写体も遠くの被写体も大きさの変化が少なくなり、遠近感が少ない写真になる。 : 圧縮効果により、カメラに対して傾斜した面の傾斜角が、極端に急角度に見える。 ; 被写界深度が浅い : 焦点距離が長くなるほど、被写界深度が浅くなる。 : この特性により、ボケを生かした描写に用いられる。 ; ブレに弱い : 望遠レンズは、拡大倍率が高いため手ブレによる画像のブレが起きやすい。また、焦点距離が長いほど手ブレを起こしやすくなる。 : 撮影者の技術にも影響されるが、「焦点距離分の1秒〔焦点距離分の1秒…「焦点距離分の1秒」は、35mm判のカメラの場合の目安である。APS-CサイズDSLRやマイクロフォーサーズシステム、中判カメラなど他のフォーマットでは、35mm判換算焦点距離を目安とする。〕」よりも速いシャッタースピードで撮影すれば手ブレが起きにくいとされる。つまり焦点距離500 mmレンズであれば、500分の1秒以上が目安である。 : しかし、イメージセンサーの高画素化などの要因により、上記の目安が必ずしも当てはまらなくなっている。 : 特に35mm判で300 mm以上の焦点距離を持つ望遠レンズでの撮影には、三脚や一脚・ビーンズバックなどの支持器具を使った方が、良好な画像を安定して得られる。 : 焦点距離だけでなく、大口径レンズや中判カメラ用レンズなど非常に重量が大きいレンズを使う場合も、支持器具を使ったほうが確実である。 : レンズまたはデジタル一眼レフカメラのボディに、「手ぶれ補正機構」を搭載している機種は、シャッタースピードを手ブレを起こさない目安より2 - 5段分遅くしても、手ブレを回避できる。 ファイル:Portrait50mm5 6.jpg|標準レンズ 50mm(35mm判) 対角線画角46° ファイル:Portrait100mm5 6.jpg|中望遠レンズ 100mm(35mm判) 対角線画角24° ファイル:Portrait200mm5 6.jpg|望遠レンズ 200mm(35mm判) 対角線画角12° ファイル:Portrait400mm5 6.jpg|超望遠レンズ 400mm(35mm判) 対角線画角6°10′ ファイル:Focal length f35mm.jpg|標準レンズ 56mm相当 (35mm判換算) ファイル:Focal length f70mm.jpg|中望遠レンズ 112mm相当 (35mm判換算) ファイル:Focal length f135mm.jpg|望遠レンズ 216mm相当 (35mm判換算) ファイル:Focal length f300mm.jpg|超望遠レンズ 480mm相当 (35mm判換算) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「望遠レンズ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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