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量子力学の時間発展において、相互作用描像 (そうごさようびょうぞう、Interaction picture;ディラック描像、相互作用表示とも)は、シュレーディンガー描像とハイゼンベルグ描像の中間というべき描像である。この2つの描像では、状態ベクトルまたは演算子のどちらかが時間に依存するが、相互作用描像にたてばこの両者が可観測量の時間依存性に寄与する。 シュレーディンガー描像およびハイゼンベルグ描像では、異なる時間における演算子を含む方程式は必ずしも意味をなさないが、相互作用描像では許される。これは非時間依存ユニタリ変換が、ある描像における演算子を他の描像における対応する演算子と関連づけるためである。演算子がどの描像におけるものなのかが明示されていない書物もあり、混乱と誤用を招くこともある。 ==定義== 相互作用描像における演算子と状態ベクトルは、基底の変更(ユニタリ変換)によってシュレーディンガー描像におけるそれらと関連づけられる。 相互作用描像に移るために、シュレーディンガー描像のハミルトニアンを''HS''=''H0,S'' + ''H1,S''のように二つにわける。〔全てのわけかたから意味をもった相互作用描像を得ることができる。しかし、相互作用描像によって問題の解析を容易にするためには、典型的には''H0,S''は性質がよく理解されており、解が求まっているもの、''H1,S''に解析の難しい、摂動的なものが含まれるようにわけることが多い。〕 もし、ハミルトニアンが''陽に時間に依存''する場合(例えば、量子系が時間変化する外部電場と相互作用する場合)、大抵の場合は''H1,S''に陽に時間に依る部分を含め、''H0,S''を時間非依存に選ぶのが好都合である。この場合を想定して話を進める。〔もし、''H0,S''が時間依存''する''場合においては、を対応する時間発展演算子に置き換えればここでの議論を適用できる。 〕 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「相互作用描像」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Interaction picture 」があります。 スポンサード リンク
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