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木星への天体衝突[もくせいへのてんたいしょうとつ]
木星への天体衝突（もくせいへのてんたいしょうとつ）では、木星に彗星や小惑星のような太陽系小天体が衝突する天文現象について述べる。
太陽系で太陽に次ぎ大質量の天体である木星は、その強い重力により近くを通過する小天体の軌道をしばしば変え、その結果、当該小天体の軌道を木星へと衝突するものにすることがある。このようにして生じる木星への天体衝突は、木星の大気の下層部にある物質を上層部へと運ぶこととなり、通常は観測が困難な大気の性質を明らかにしてくれる。また、木星の大気組成そのものにも影響を与えることがある。
== 1690年の衝突 ==
田部一志・渡部潤一らの研究グループは、パリ天文台の図書館に保存されている、1600年代から1700年代にかけ望遠鏡による観測で記録された木星面のスケッチを調査した。その結果、1690年12月頃にジョヴァンニ・カッシーニによって描かれたスケッチの中に、小天体の衝突の痕跡と見られる模様を発見した。この模様は18日間にわたってその変化が記録されており、その形状の変化は1994年のシューメーカー・レヴィ第9彗星の衝突（後述）に極めて類似していたため、この模様は小天体の衝突による痕跡と推定された〔国立天文台記者発表資料 1690年の天体の木星衝突痕跡の観測記録の発見について (Internet Archive)〕。
推定の通りシューメーカー・レヴィ第9彗星の場合と同規模の衝突であった場合、カッシーニは現在ほど頻繁に観測が行われていない時代に、数百年に1度というレベルの珍しい天文現象をたまたま観測したこととなる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア（Wikipedia）』
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