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東住吉事件 : ウィキペディア日本語版
東住吉事件[ひがしすみよしじけん]

東住吉事件(ひがしすみよしじけん)とは、1995年7月22日大阪府大阪市東住吉区で発生した事件。民家火災が発生し、内縁の夫により性的虐待を受けていた女児が死亡した。内縁の夫と女児の母親の犯行として無期懲役刑が確定したが、無罪を訴えている。日本弁護士連合会が支援する再審事件である。
== 事件・捜査の概要 ==
1995年7月22日、大阪府大阪市東住吉区の住宅の建物に組み込まれたシャッター付き駐車場で火災が発生し、住人である内縁の夫、母親、長男は屋外に脱出したが、駐車場に隣接する浴室で入浴中だった長女は焼死した。
母親と内縁の夫は死亡した長女に死亡時支払金1500万円の生命保険契約をしていたこと、長女の死亡に対して保険金支払いを請求したこと、母親と内縁の夫に約200万円の借金があったことから、警察は借金返済のための保険金詐取目的の殺人との疑いを持ち、1995年9月10日に母親と内縁の夫を逮捕した〔『借金苦で保険金狙い 母親を逮捕 大阪・東住吉の小6焼死』 - 朝日新聞 朝刊 1995年9月11日 1面〕。
警察は、母親と内縁の夫が住宅の建物に組み込まれたシャッター付き駐車場(火災発生当時はシャッターを閉めた密閉空間状態)で、自動車の燃料タンクから、手動式ポンプでガソリンを吸引して駐車場の床に散布し、ライターで火をつけて火災を発生させ、その結果として住宅を全焼させ、入浴中の長女を殺害したと推定した。
警察は母親と内縁の夫が長女を殺害したとして取調べ、連れ子保険金詐取目的で長女を殺害したとの供述調書を作成し、その旨を報道機関に公表した。これに対し、母親と内縁の夫はこの取調べの際に拷問による自白の強要があり、警察の推定に合致する供述をさせられたと主張している。
母親と内縁の夫と弁護人・支援者が主張する、母親と内縁の夫の無実の根拠、検察が主張する証拠の不証明、動機の不自然性は下記のとおりである。
* 犯行に使用したとされるガソリンを吸引した手動ポンプ、放火したライターは発見されていない。
* 散布したガソリンの量、母親と内縁の夫が犯行を共謀した時期・内容について、自白調書の内容に不自然・不整合な変遷が多数存在する。
* 大阪府警科学捜査研究所員が行なった火災の再現実験の結果、火災発生当時はシャッターを閉めた密閉空間状態だった駐車場内に駐車されていたホンダ・アクティストリートの燃料タンクの不具合によりガソリンが燃料タンクから漏出して気化し、それが駐車場に接する風呂釜の種火に燃え移り発火した可能性が高いと判断された〔大阪女児死亡火災、ガソリン漏れで自然発火? 欠陥ならメーカーに責任ないのか、の指摘も  J-CASTニュース(2015年10月29日)、同年12月8日閲覧。〕。
* 母親と内縁の夫の借金額は約200万円であった。
* 母親と内縁の夫と長男・長女はいずれも円満な家族関係を形成していて、家族間に感情的な紛争・不和などの問題点は無かった(ただし内縁の夫自身が長女に対して性的虐待を行なっていた事実を取り調べの供述だけでなく支援する会へのメッセージでも「性的虐待をした重い自責」と認めており〔ページはアーカイブ。タイトル名に実名が使われているため、タイトルを差し替えている。〕、弁護人や支援者の主張と相違する)。
*なお、再審決定時のニュースでは内縁の夫の長女への性的虐待については触れている報道機関〔と触れていない報道機関〔再審決定の元被告2人 20年ぶり釈放へ 東住吉事件 - テレ朝ニュース、2015年11月2日閲覧。〕が存在する。
*内縁の夫は、自分が軟弱で臆病だったため「否認したら死刑になる」との刑事の主張を真に受けて自白したとしている〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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