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枕投げ(まくらなげ)は、複数人で枕を投げ合う遊戯である。複数の参加者と、適当な広さの場所、十分な数の枕があれば実行できる。また、チームを組んで行うこともある。移動教室や修学旅行などの学校の宿泊行事で、しばしば教師の目を盗んで行われる。枕合戦とも呼ぶが、これはピローファイト(枕叩き)を意味する場合もある。 == 歴史 == 枕投げの歴史は、現在のところ、ほとんど分かっていない。「枕投げ」という言葉そのものも、多くの国語辞典には未記載の語であり〔『三省堂国語辞典』では、第6版(2008年)に初めて記載された。これが国語辞典としては初出とみられる。〕、文献上の初出例も明らかでない。 物を投げ合う習俗そのものは古くから存在した。中世の「飛礫(つぶて)打ち」もそのひとつで、祭礼などのハレの行事や、一揆や打ち壊しにあたっての「石打(いしうち)」などが記録に残る。遊戯的なものとして、2組に分かれて石を投げあう「石合戦」もあった〔初出〕。 また、雪玉を投げ合う「雪打ち」と称する習俗も、すでに中世の資料に見られる(『御湯殿上日記』の文明年間の記事など)。これが、明治時代以降の資料では「雪投げ」「雪合戦」と称され、今日でも子どもの遊びとして盛んに行われている。 江戸時代初期に使われていた括り枕の構造は現在のものに近いが、髷を結うのが一般的であった江戸時代中期から明治・大正頃までは木箱に小型の括り枕を括りつけた箱枕や木材を加工した撥枕、陶磁器製の陶枕なども多く使われていた〔Savemation 2003年1月号、P.2〕。 枕投げがいつ頃始まったものであるかは決定的な資料がない。しかし、太平洋戦争末期に沖縄県から学童疎開した対馬丸の生存者による「船内で枕投げに興じた」旨の証言がある。醒泉国民学校(京都市下京区)の1943年卒業生の体験談にも枕投げが登場する。 西鉄観光バス(福岡県)が2004年、現在の団塊世代向けに修学旅行を再現する旅行を企画したところ、再現の要望が一番強かったのが旅館での枕投げだったという〔『読売新聞』西部夕刊 2004年1月22日付「懐かしの修学旅行再現 ガイドは濃紺・白襟 食事はカレー・給食/西鉄観光バス」。なお、枕投げの要望についてバス会社社長は「こればかりはねぇ」とコメントしている。〕。また、2010年には石川県の温泉旅館が同窓会向けとして枕投げ専用枕を用意するなどの宿泊プランを実施している。その背景には、主に1950~70年代の修学旅行の話で枕投げの思い出が数多く登場するように、枕投げが最も親しまれたのが団塊世代だったということがある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「枕投げ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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