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柴田光蔵 : ウィキペディア日本語版
柴田光蔵[しばた みつぞう]
柴田 光蔵(しばた みつぞう、1937年1月1日 - )は、日本の法学者京都大学名誉教授。専門はローマ法・比較法文化論。京都大学博士
== 人物 ==
幼少期よりギリシア神話ローマ神話の本をきっかけに、西洋古典古代の歴史に興味を持つ。京都大学法学部入学後、最初の3年間は司法試験公務員試験の勉強に取り組むが、3回生の秋に杉村敏正行政法ゼミからローマ法ゼミに転籍してローマ法学者・田中周友と出会ったこともあり、3回生の期末試験後、ローマ法の研究者になることを決意する。
4回生の秋、京都大学文学部で「ローマ史」を教えていた井上智勇に「ローマ史研究の中で、もっともわかりにくいところは何でしょうか」と尋ねたところ「裁判だよ」との回答を得て、ローマ史という枠組みの中でローマ法の研究を試みる、という姿勢を決めた〔当時を述懐し、「露骨に実用性や有用性とからめて偉い方(井上智勇)に物事を尋ねるのは世間知らずで恥知らずであった」と述べている。柴田光蔵『ROMAHOPEDIA ローマ法便覧』はじめにXI〕。柴田の裁判制度研究の最初の成果は、博士論文「ローマ裁判制度研究―元首政時代を中心として」に現れた。
京都大学卒業後、すぐに学卒助手として京都大学の教員に採用された。そのため、大学院において指導教授に研究指導を受けた経験がないが、このように最初から独学・自立で研究生活をスタートしたことは、柴田の研究生活にとってプラスにもマイナスにもなったという。ローマ法研究においては「タテマエ・ホンネ二元論」を唱える。これは古代ローマやローマ法を分析する際の柴田独自の視角で、タテマエ(論理・理論)に対するものとしてのホンネ(実相・現実)を配置し、裁判世界をタテマエとホンネの交錯する場として二元論的に考察するものである。この枠組みはのちに現代日本法の分析にも適用され、その成果は『法のタテマエとホンネ』や『タテマエの法・ホンネの法』として出版された。ローマ史・ローマ法全般にわたる研究のほか、法格言を含むラテン語格言全般や、法律ラテン語の研究も行い、『法学ラテン語綱要』を手はじめに、『法律ラテン語格言辞典』や『法律ラテン語を学ぶ人のために』といった入門書・解説書を出版した。1970年に東京大学法学部のテキストとして「法学史」が編まれることになった際は、東京大学のローマ法担当の片岡輝夫に代わり「ローマ法学」の章を執筆した〔柴田によると、片岡輝夫の健康状態が悪かったことが原因だったのではないかという。柴田光蔵『ROMAHOPEDIA ローマ法便覧』はじめにXII〕。また、京都大学文学部の言語学講座担当だった泉井久之助の要請で西洋古典学松平千秋イタリア文学野上素一らと共に「キケロー研究会」に参加し、弁論家キケローが行った弁護弁論の大部分を翻訳・紹介した。2000年に京都大学を定年退官後は、同門だった野上義博谷口昭の紹介で名城大学に非常勤講師の職を得た。
「現代のローマ人」というニックネームを持つ。これは柴田の趣味であるテニス(硬式ダブルス)において、柴田の「古代ローマ人」のごとく過激で超攻撃的な、勝負に強くこだわるプレースタイルを見たテニス仲間がつけたという。「柴田節」と形容されるローマ人流のレトリックを用いた語り口の講義を行う。20世紀のロマニスト(ローマ法研究者)を自任し、「古代ローマ法の語り部」の役割を引き受けることが自らの使命であると考えている〔柴田光蔵『ROMAHOPEDIA ローマ法便覧』はじめに〕。2014年以降、「現代日本法の語り部」へと変身する決意を示す。
2013年から2015年にかけて、それまでの研究の成果を350万字に及ぶ「ROMAHOPEDIA(ロマホペディア) ローマ法便覧(四部作)」としてまとめ、京都大学の図書館が運営する学術情報リポジトリ「紅」に公開した〔http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/175505〕

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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