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株主の差止請求 : ウィキペディア日本語版
株主の差止請求[かぶぬしのさしとめせいきゅう]
株主の差止請求かぶぬしのさしとめせいきゅう)とは、株式会社株主取締役の違法行為や定款に違反する行為などを事前に差し止めるための制度である。違法行為等の差止請求権株主代表訴訟と同じく、株主による会社経営の監督に寄与する。
他方、新株発行の差止請求権は株主個人の利益を守るための制度である。
*会社法について以下では、条数のみ記載する。
==違法・定款違反行為の差止め==
会社法では「株主による取締役の行為の差止め」と表現されている(360条)。取締役が会社の目的の範囲外の行為または、法令もしくは定款に違反した行為をしている・するおそれがある場合に、それによって会社に「著しい損害」が生じるおそれがあるときには、株主はその行為の差止めを請求できる。ただし、会社が監査役設置会社委員会設置会社であるときは、「著しい損害」ではなく「回復することができない損害」が必要になる。
このとき、会社にもそれを差し止める権限が当然あると考えられている。しかし経営陣の暴走を会社自身が差し止めることが期待できない場合もあり、そのため360条はそうした取締役の行為を差し止める権利を株主に与えている。この制度を株主の差止請求という。
この規定は、会社の清算人についても準用されている(482条4項)。また、委員会設置会社では、執行役の行為の差止めとして同様の制度が設けられている(422条)。
公開会社では、差止請求をすることができる株主に一定の制限がある。すなわち、6ヶ月前から引き続き株式を保有している株主でなければならない。(ただし、定款で6ヶ月を下回る期間を定めることも可能。)これは会社経営の攪乱を狙う者の請求を排除する狙いがあるが、たとえ1株であっても6ヶ月以上それを保有している株主であれば差止請求をすることができる。他方、公開会社でない会社については、この制限はない。
差止請求は、差止の対象となる行為をしようとしている取締役に対して行う。裁判手続を利用せずに当該取締役に対して差止めを請求することも可能であるが、実効性の点では疑問が残る。そこで、その取締役を被告として差止めの訴えを提起し、必要ならば民事保全法に基づき差止の仮処分を申請するという方法もある。
株主による差止めの訴えの具体的な内容について会社法上の規定はない。しかし株主代表訴訟と本質的には類似のものである。つまり、差止めの訴えは本来ならば会社が取締役に対して行使すべき差止請求権を株主が会社に代わって行使するのであるから、判決の効果は株主ではなく会社に対して生じる。また、専属管轄等についても代表訴訟の手続が類推適用されると考えられている。ただし、株主代表訴訟においてはまず会社に対して取締役に対する訴訟を提起するよう請求をしなければならないと規定されているが、差止請求の場合には会社への請求をすることなく初めから訴訟を提起することも許される。これは差止請求においては迅速性が要求されるためである。
差止請求または差止の仮処分があったにもかかわらず、取締役がこれに反して行為を強行する場合もある。そうした行為の効力は本来無効とするべきであるが、会社経営においては利害関係人が多数に上る。そのため、そうした事情について知らない者(善意の第三者)に対しては有効な行為として扱うべきと考えられている。
なお監査役も同趣旨の差止請求権を持っている(385条)。この差し止め請求権は、「著しい損害」が生じるおそれのある場合に行使することができる。この場合、差止の仮処分を申請する際に担保を提供する必要がないことが定めている。ただし、定款によって監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定した場合、監査役にこの権限はない。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「株主の差止請求」の詳細全文を読む



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