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椎名ラクトン化反応 : ウィキペディア日本語版
椎名ラクトン化反応
椎名ラクトン化反応(しいなラクトンかはんのう、英: Shiina lactonizationまたはShiina macrolactonization)とは有機化学における化学反応のひとつで、芳香族カルボン酸無水物を脱水縮合剤に用いたラクトンの合成法である。1994年にルイス酸触媒を用いる手法が、2002年に求核性触媒を用いる手法が椎名勇によって報告された。
==機構==
芳香族カルボン酸無水物と触媒の存在下、ヒドロキシカルボン酸を系内にゆっくり加えると、下図の過程を経て対応するラクトン(環状エステル)が得られる。酸性条件での椎名ラクトン化ではルイス酸触媒が用いられ、塩基性条件での椎名ラクトン化では求核性触媒が用いられる。
酸性条件の反応では、4-トリフルオロメチル安息香酸無水物(TFBA)が脱水縮合剤として主に利用される。まず、TFBAにルイス酸触媒が作用し、活性化されたTFBAにヒドロキシカルボン酸のカルボキシル基が反応することで混合酸無水物(Mixed Anhydride, MA)が一旦生成する。引き続き、MAに含まれるヒドロキシカルボン酸由来のカルボニル基が選択的に活性化を受け、ヒドロキシカルボン酸の水酸基が分子内求核攻撃する。同時に、MAから生じた芳香族カルボン酸残基が脱プロトン化剤として働くことで閉環反応が進行しラクトンを与える。反応の収支としては、TFBAが原料であるヒドロキシカルボン酸から水分子1個分の原子を奪い、自らは2分子の4-トリフルオロメチル安息香酸となって反応が終結する。ルイス酸触媒は反応の最後に再生するので原料よりも少ない量で足りる。
塩基性条件の反応では、2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物MNBA)が脱水縮合剤として多用される。まず、求核性触媒がMNBAに作用することで活性アシルカルボキシラートを与える。これに対してヒドロキシカルボン酸のカルボキシル基が反応することで、酸性条件の反応と同様にMAが一旦生成する。続いて、求核性触媒がMAに含まれるヒドロキシカルボン酸由来のカルボニル基に選択的に作用することで活性アシルカルボキシラートを再度与える。カルボニル基にヒドロキシカルボン酸の水酸基が分子内求核攻撃し、同時に、2-メチル-6-ニトロ安息香酸のカルボキシラートアニオンが脱プロトン化剤として働くことで閉環反応が進行しラクトンを与える。反応の収支としては、MNBAが原料から水分子1個分の原子を奪い、自らは2分子の2-メチル-6-ニトロ安息香酸のアミン塩となって反応が終結する。求核性触媒は反応の最後に再生するので原料よりも少ない量で足りる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「椎名ラクトン化反応」の詳細全文を読む



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