翻訳と辞書
Words near each other
・ 楔間靭帯
・ 楕
・ 楕円
・ 楕円DH
・ 楕円DSA
・ 楕円ピストンエンジン
・ 楕円フィルタ
・ 楕円体
・ 楕円偏光
・ 楕円偏波
楕円函数
・ 楕円型作用素
・ 楕円型偏微分方程式
・ 楕円型複体
・ 楕円少年
・ 楕円幾何学
・ 楕円形
・ 楕円方程式
・ 楕円暗号
・ 楕円曲線


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

楕円函数 : ウィキペディア日本語版
楕円函数[だえんかんすう]
数学の一分野、複素解析における楕円函数(だえんかんすう、)は、二方向に周期を持つ有理型のことをいう。歴史的には、楕円函数は楕円積分逆函数として、ニールス・アーベルによって発見された(楕円積分は楕円周長を求める問題に関連して研究されていたものである)。
== 定義 ==
厳密に述べれば、楕円函数とはガウス平面 C 上で定義される有理型函数 ''f'' であって、比 ''a''/''b'' がとはならない二つの複素数 ''a'', ''b'' が存在して、''f''(''z'') が定義される限り全ての ''z'' に関して
:''f''(''z'' + ''a'') = ''f''(''z'' + ''b'') = ''f''(''z'')
が成り立つものをいう。ここからさらに、任意の整数 ''m'', ''n'' に対して
:''f''(''z'' + ''ma'' + ''nb'') = ''f''(''z'')
が成り立つことも従う。
「標準的」('canonical') な楕円函数の構成法はヤコビによるものとワイエルシュトラスによるものとの二種類が知られており、楕円函数論の現代的な本では、おおくがワイエルシュトラス流である。ワイエルシュトラスによるワイエルシュトラスの楕円函数 の概念は便利であり、それを用いて任意の楕円函数を扱うことができるが、その一方で実用上、特に実函数を扱っていて虚部が不要あるいは物理的に重要でないというような場合に複素数の使用を避ける必要があるときなどは、ヤコビの楕円函数が最もよく現れる。ワイエルシュトラスが楕円函数に関心を持つようになったのは、ガウスの弟子クリストフ・グーデルマンに師事したころである。
ヤコビによる(と、これは二重周期函数ではないが補助的に用いられるテータ函数)はワイエルシュトラスによるものと比べて複雑だが、歴史的にも一般論においても重要な函数である。二つの理論の一番の違いは、ワイエルシュトラスの楕円函数がその周期の成す格子群の格子点に二位あるいはもっと高位のを持つのに対し、ヤコビの楕円函数は一位の極しかもたないことである。ワイエルシュトラスの方はより簡明なので、記述面でも理解の面でも理論を展開しやすい。
もっと一般に、楕円函数の研究はモジュラー函数モジュラー形式の研究と近しい関係にあり、又その関係性はモジュラー性定理によって明らかにされた。そういった関係性には、たとえば ''j''-不変量アイゼンシュタイン級数あるいはデテキント・イータ函数などが含まれる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「楕円函数」の詳細全文を読む



スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.