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次亜塩素酸 : ウィキペディア日本語版
次亜塩素酸[じあえんそさん]

次亜塩素酸(じあえんそさん、)は塩素オキソ酸の1つで、塩素の酸化数は+1である。組成式では HClO と表されるが、水素原子と塩素原子が酸素原子に結合した構造 H-O-Cl を持つ。不安定な物質であり、水溶液中で徐々に分解する。次亜塩素酸および次亜塩素酸の塩類は酸化剤漂白剤、外用殺菌剤、消毒剤として利用される。
== 性質 ==
実験室的には水酸化カリウム水溶液などに塩素を通じたりして調整した次亜塩素酸塩水溶液を硫酸で中和し、水蒸気蒸留して遊離酸の水溶液を得る。また、酸化水銀(II)四塩化炭素懸濁液に塩素を通じた後に水で抽出したり、あるいは酸化ビスマスBismuth Oxide)を水懸濁液中に塩素を通じることで遊離酸の水溶液を得る方法も知られている。
薄い水溶液としては存在するが、25 %以上の濃度では一酸化二塩素に変化するので遊離酸を単離することはできない。濃厚水溶液は淡黄色である。また、遊離酸が弱酸 (p''K''a = 7.53)〔「次亜塩素酸」、『岩波理化学辞CD-ROM版』 第5版、岩波書店、1998年。〕 のため、次亜塩素酸ナトリウムなどの次亜塩素酸塩水溶液はかなり強い塩基性を示す。
水溶液中でも不安定で、次のような不均化により塩化水素を放出しながら徐々に分解する。特に酸性物質水溶液と化合するとこの分解が促進される。
: \rm 2 HClO \longrightarrow 2 HCl + O_
: \rm 3 HClO \longrightarrow 2 HCl + HClO_
次亜塩素酸やその塩の水溶液は、カルキ臭と呼ばれるプールの消毒槽のようなにおいを持つ。
また、塩素を水に溶かすと、次のような平衡により一部が塩酸と次亜塩素酸となる〔「次亜塩素酸」、『世界百科事典CD-ROM版』 V1.22、平凡社、1998年。〕。
:
\quad K _=1.56 \times 10^

すなわち、中性〜酸性条件ではこの反応はあまり進行しないが、アルカリ性条件では生成する遊離酸が次亜塩素酸塩となり平衡が右に偏るので、次亜塩素酸塩を製造する方法の1つとなる。
* 水と一酸化二塩素の反応
:
\rm Cl_2O + H_2O \longrightarrow 2HClO

* 過酸化水素水と反応させると酸素が生じる。
:
\rm HClO + H_2O_2 \longrightarrow HCl + H_2O + O_2

* ハロホルム反応により、アルカリ性条件下で次亜塩素酸(塩)はメチルケトンアルコール類を塩素化する。
* 炭素二重結合に次亜塩素酸が付加すると、クロロヒドリン体を与える。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「次亜塩素酸」の詳細全文を読む



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