|
水平対向4気筒(すいへいたいこうよんきとう)は、レシプロエンジン等のシリンダー配列形式の一つ。4個のシリンダーが2個ずつ水平に対向して配置されている形式である。当記事では専らピストン式内燃機関のそれについて述べる。海外ではフラット4(Flat-Four)とも呼ばれ、F4と略されることもある。また、ボクサー4(Boxer-4)とも呼ばれ、B4と略される場合もある。 == 解説 == このような構成のエンジンは、直列2気筒とほぼ同等の短いエンジン全長と非常に低いエンジン全高を実現でき、シャーシに対するエンジンの重心位置を低くして車体重量バランスの改善を図る事が出来る上、エンジンの振動面で良いバランスを持つ。そして効率的な空冷装置と組み合わせる事にも適している。しかし、V型4気筒に比較してやや広めのエンジンルームが必要であり、一般的な大衆車やビジネス向けオートバイに使用するには製造コストが高いエンジンの為、現在ではこの構成を採用する自動車メーカーは少ない。〔 〕 一方、航空機においては星型エンジンよりも小さな前方投影面積を持つ水平対向4気筒は機体先端の小径化に貢献する為、ライカミングやコンチネンタル等のエンジン製造メーカーが小型飛行機向けの空冷エンジンを多数製造しており、小型航空機では比較的一般的な構成である。 水平対向4気筒は直列4気筒と比較してエンジンの大きさや振動面、エンジンの重心面でいくらか優れた面を持つが、その反面クランクシャフトの構造が複雑化し製造の手間やコストの面で不利である事や、シリンダーヘッドやカムシャフトが直列4気筒の倍の個数必要となり、OHVからOHCに発展させる為の設計にも技術的な制約が大きかった為、大衆車のエンジンとしては今日ではあまり用いられなくなった。しかし、水平対向4気筒の広いシリンダーバンクは水冷式と同様に空冷式レイアウトの採用にも有効であった為、水冷エンジンが一般化する以前の初期の大衆車では大きな空冷フィンと強制空冷ファンを持つ水平対向4気筒が広く用いられていた。 幅の広い水平対向4気筒エンジンは、車軸位置をさけて前後のオーバーハング部かホイールベース間に搭載されることが多い。直列エンジンより短いため、オーバーハング部に搭載しても前後重量配分に対する悪影響は低減される。車両によっては水平対向4気筒を通常のフロントエンジンとして配置する事もあるが、エンジンの広い横幅が前輪の操縦系統の配置に影響を及ぼす可能性が高くなる。後輪駆動車ではリアエンジンやミッドシップレイアウトに多く用いられる。後軸の重心をできるだけ低く保つ意味でも水平対向4気筒の採用は有効であった。日本のスバルは黎明期よりフロントオーバーハングにアルミ製の水平対向4気筒エンジンを搭載した前輪駆動レイアウトを採用しており、今日ではトランスファーの付加によって4WDに発展させる事で、水平対向4気筒の利点を最大限に生かした車両作りを続けている事が世界的にもよく知られている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「水平対向4気筒」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|