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沈既済[しん きせい] 沈既済(しん きせい、 750 - 800年頃)は、唐代の歴史家、小説家。蘇州呉の人。歴史書『建中実録』10巻や、伝奇小説の作品がある。 ==人物と作品== 『唐書』の巻131に伝記がある。 楊炎が吏部侍郎の時に史家として認められ、徳宗の世の建中元年(780年)に楊炎が宰相となった時に、史館修撰に任じられた。翌年に楊炎が罷免されると、連座して所州に左遷される。数年後に楊炎の政敵盧𣏌の失脚により都に戻り、礼部員外郎となる。子は沈伝師(769-827年)。 伝奇小説として『枕中記』『任氏伝』(781年)がある。 『枕中記』は、『太平広記』『文苑英華』、『任氏伝』は『太平広記』『類説』に収められており、『異聞集』から採取したとされている。いずれも後世の戯曲、小説に広く影響を及ぼした。『枕中記』の夢の中で立身出世していくという筋は、自身が楊炎の失脚に巻き込まれたことに絡ませたという見方もある〔『唐宋伝奇集』(岩波書店,1988年)今村与志雄訳注、卞孝萱『唐代文史論叢』(山西人民出版社,1988年)〕。『任氏伝』では、所州に流される旅の途中でこの話を同輩達と語り合ったことが執筆のきっかけであると、文中に記されている。
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