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治療塔惑星[ちりょうとうわくせい]
『治療塔惑星』 (ちりょうとうわくせい) は大江健三郎の長編小説であり、『治療塔』の続編である。 『治療塔』とは異なり、不特定多数の人々やイエス・キリストを相手とした手紙という形式で書かれた。 雑誌『へるめす』の1991年1月号から1991年9月号に連載され〔大江健三郎、すばる編集部『大江健三郎・再発見』集英社、2001年、212-213頁〕、1991年に岩波書店から出版された。 2008年に講談社文庫へ収録された。 == あらすじ == 「新しい地球」に移住した「選ばれた者」達と残留した人々との間で和解協議が進められるが、その間にも地球の汚染は更に進む。三年振りに再会した朔とリツコは、二十本足のある「宇宙ミドリ蟹」なる生物が「新しい地球」から古い地球に持ち込まれているとする噂について話し合う。リツコはアメリカは「治療塔」に関する情報を隠しているのではないかと疑い始める。土星の衛星タイタンに通信基地を作る事を目的として、朔は出発する。そうした中「新しい地球」では「治療塔」による人体改造を拒んだ人々が組織を結成し、古い地球には戻らず「新しい地球」に定住し始めた。朔が戻って来ない中、朔の父隆は「宇宙少年十字軍」という計画を発案し、そこに二人の息子タイくんを参加させようと言い始める。その計画とは、「新しい地球」に於ける「治療塔」を古い地球の科学力で分析し、「落ちこぼれ」となった人々にも使用出来る様に翻訳し、その為に「選ばれた者」と「落ちこぼれ」との混血児に媒体役をやらせようという内容だった。隆はリツコの承諾無しにタイくんを繭カプセルに入れてしまっていた。朔は自分達の世代で問題解決する事が不可能だと悟り、息子のタイくんを初めとして次の世代「宇宙少年十字軍」に託す。リツコは朔の帰還とタイくんが自分の手元に戻って来る事を祈って、キリストに対する手紙を締めくくる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「治療塔惑星」の詳細全文を読む
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