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法哲学[ほうてつがく]
法哲学(ほうてつがく、英語:philosophy of law、jurisprudence)とは、法に関して、その制定および運用や様ざまな人の法観念・法感覚、また、法現象とよばれる社会現象等に視点をあてて、哲学的に、平たく言えば、既存の諸概念にとらわれることなく考察する学問分野である。そのため、具体的な内容について研究者間の見解の相違が大きく、法の一般的定義は困難となっている。 == 概要 == 法哲学という用語は、ドイツ語の Rechtsphilosophie の訳語として使用されはじめたものであり、主にヘーゲル以後に一般化したものと考えられている。しかし、法に関する哲学は、すでに古代ギリシアのソクラテスの実践知に始まり、その後のプラトンやアリストテレス、また、ソフィストにおける弁論術にも見られる〔三島、1980年、第1章を参照。〕。 日本では、法哲学との呼称・表記のほかに伝統的な法理学(ほうりがく)との呼称・表記を用いることもある。伝統的に法哲学の研究が盛んな京都大学などでは現在もこの名称が用いられる〔書名に「法理学」を冠する例も少なく、田中成明『法理学講義』(有斐閣、1994年)、青井秀夫『法理学概説』(有斐閣、2007年)など、数例を数えるにすぎない。〕。 よくみられる主張としては、実定法学が実定法(positives Recht、現に存在する法)を対象とするのに対して、法哲学は、あるべき法ないし正しい法を探求する学問である、というものがある。しかし、法哲学が法価値論(以下で詳述)のみを対象としていた時代にはそのような考え方も成り立っていたが、現在では法哲学の対象が広がっているため、「あるべき法を探求する」というのも一つの立場からの考え方に過ぎないことに注意が必要である。したがって、現代では、法哲学について多様な捉え方がある。これについては、例えば、牧野英一の広範な著作は、その全目録自体にひとつの法哲学体系が示されており参考となろう。また、このことからも分かるように、実定法学者の解釈的見解と法哲学とは、全く別個で無関係なものではなく、シラバス上の様々な目的から別に講義されるということである。ただ、ハーバート・ハートの『法の概念』に代表されるように、法への巨視的考察を採る立場からの限定的内容の講説が支配的である。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「法哲学」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Philosophy of law 」があります。
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