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波動スピーカー(はどうスピーカー)は、エムズシステムが製造販売しているスピーカーである〔以前同名で呼ばれていた、寺垣武開発のスピーカーについては寺垣スピーカーの項を参照。〕。 一つの円筒形の筐体の両側に、お互いに背を向けたRとLチャンネルのフルレンジのユニットを各々配置する。構造は未公開。また、通常のスピーカーとは異なり横向きの指向性スピーカーになるため(無指向性では無い)、独特の音場感を形成する特徴も併せ持つとしている。 スピーカーユニットの振動板が木製のウッドコーンユニットや〔筒型ウッドコーンスピーカー.com 〕、円筒筐体を持つカウンター駆動方式のスピーカー〔FDDBR波動スピーカー自作 〕で制作する人もいる。この場合は、エムズシステムの製品と区別するため、筒型スピーカー、波動型スピーカーなどと呼ばれることもある。 == 概要 == 1つの円筒形の筐体〔筐体は圧縮紙で出来ている(両端は木材使用)。2008年3月29日放送のBSアサヒ「STYLE BOOK」で波動スピーカーが特集され、同放送で三浦社長は、特殊に圧着した紙を数十枚以上重ねる事により、天然の木材を使用する際の個体差を解消できるしている。なお管状の紙材を使ったスピーカーは以前より存在しエムズシステムだけのものではない。〕の両端にフルレンジのスピーカーユニットが取り付けられている。 通常のスピーカーは、スピーカーの振動板が空気を揺り動かす際に、必然的に反動が発生しこれが室内の他の物体にまで伝わって増幅されると音が濁った印象が強くなる。これを避けるため、インシュレーターを使用したり、専用の重量のあるスピーカースタンドの上に置くといった対策が施される。しかし、波動スピーカーは設置の自由度が高く、特に決まった置き方は無いとされ、床に直接置いたり、フックやネットなどで室内の天井に吊るす、といった設置スタイルを取ってもなんら支障がない。スピーカーの向きを気にせずに任意の場所に設置する事が可能であると言う。 通常、スピーカーユニットを単体で鳴らしたとき、その前面と背面に逆位相の音波を放出するため、前面と背面の音波が干渉して互いに打ち消し合う。この効果は音の周波数が低いほど著しくなるため、結果として低音はほとんど再生されなくなる。このため、スピーカーユニットからを豊かな低音を再生するためには、大きな板(バッフル)もしくはそれなりの容量を持ったエンクロージャーにスピーカーユニットを取り付けるなど、何らかの工夫が必要である。 エムズシステムの説明によると、おそらく旧来のスピーカー2個の正面に座って聴いていたユーザーには環境音が多いスピーカーに強い印象を持つかもしれないが特に新しい原理ではない。昭和30年代、40年代の安価なステレオ電蓄には左右のキャビネットが共通のものは多数存在した。またスピーカーマトリックスやSRSなどの擬似サラウンド装置などで逆相を強調し音の広がりを実現するシステムは現在でも広く使われている。 2005年11月2日「演奏家のいない演奏会」にて行われたエムズシステム三浦社長と京都大学経済研究所浅田彰助教授の対談 によると、「波動スピーカー」の「波動」は、「あたかもそれ(波動スピーカーからの音)が楽器の(音の)ように、宇宙に向かって」広がり、「指向性のない」、「そこで演じられたままの(音響)空間が創り出される」様を形容した意味だと説明されている。波動エネルギーは通常のスピーカーでも発生しているわけで、新しい原理では無い。 筐体の側面または両ユニットの下部にサウンドホールと呼ばれる穴が1つ空いていて、これがバスレフの役目を果たし、低音を増強している。そのため波動スピーカーをバスレフ型スピーカーの一種として捉えることもできるし、これが無いとキャビネト内の同相信号による内圧が高くなり低音がでないので、必須の仕組みである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「波動スピーカー」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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