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補償光学(ほしょうこうがく、(適応光学〔理工学では一般に「補償」の語はcompensationの訳だが、この分野ではadaptiveに「補償」の語を当てている(こともある)。〕))は、宇宙から地球を撮影したり、地球から宇宙を撮影したりするときに問題となる大気の揺らぎを光電子的に解決するために開発された光学技術のこと。波面補償光学とも言う。 宇宙望遠鏡に頼ることなく望遠鏡の回折限界までの高精度な観測が可能になるため、惑星や小惑星などの観測に用いられて衛星の発見など新たな発見がもたらされた。 == 概要 == 補償光学は、大気の揺らぎ等によって生じる星像の乱れ〔シンチレーション現象〕を、波面センサーで捉えて、電子制御回路を経て、可変形鏡を変形させることによって、対象となる天体や物体の像を正確に捉えるための技術である。工学的には、エレクトロニクスにおける位相同期回路(フェーズ・ロック・ループ、PLL)と同様な原理に基づくものであり、天文科学分野では32素子の波面センサーと可変形鏡を用いたリアルタイム・補償光学が実用化されている。 現在では波長の問題から主に赤外線による観測で用いられているが、2012年に国立天文台などの研究チームがすばる望遠鏡の高性能補償光学装置により可視光線での観測に成功し〔可視光でクリアに観測 国立天文台などが技術開発 、アストロアーツ、2012年5月17日、6月11日閲覧〕、さらなる観測精度の向上が期待されている。 当初はアメリカが他国の軍事用の偵察衛星の形状観測のために開発し、1989年2月に完成した。開発に携わったウィリアム・ハッパーたちの働きかけにより1991年5月のアメリカ天文学会で初めて一般に公開され、広く用いられるようになった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「補償光学」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Adaptive optics 」があります。 スポンサード リンク
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