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津波てんでんこ(つなみてんでんこ)は、1990年(平成2年)11月に岩手県下閉伊郡田老町(現・宮古市)にて開催された第1回「全国沿岸市町村津波サミット」において、津波災害史研究家である山下文男らによるパネルディスカッションから生まれた標語〔(国立国会図書館 2011年11月16日)〕〔(BE-PAL 2012 6月号)〕。同様の意味で「命てんでんこ」がある〔。 == 意味 == 「てんでんこ」は、「各自」「めいめい」を意味する名詞「てんでん」に、東北方言などで見られる縮小辞「こ」が付いた言葉。すなわち、「津波てんでんこ」「命てんでんこ」をそのまま共通語に置き換えると、それぞれ「津波はめいめい」「命は各自」になる。 「津波てんでんこ」「命てんでんこ」を防災教訓として解釈すると、それぞれ「津波が来たら、取る物も取り敢えず、肉親にも構わずに、各自てんでんばらばらに一人で高台へと逃げろ」「自分の命は自分で守れ」になるという。 また、「自分自身は助かり他人を助けられなかったとしてもそれを非難しない」という不文律でもあると言い、災害後のサバイバーズ・ギルト対策や人間関係修復の意味を言外に含むとされる。 矢守克也は、「津波てんでんこ」は、次の4つの意味を多面的に織り込んだ重層的な用語であることを、この言葉の成立史、東日本大震災やその他の津波避難事例に関する社会調査のデータ、及び集合行動に関する研究成果をもとに明らかにした〔「津波てんでんこ」の 4つの意味 矢守克也、自然災害科学 J.JSNDS31-135-46(2012)〕〔第8部・教え(中)津波てんでんこ/避難と救助、消えぬ迷い わがこと防災・減災、河北新報、2013年6月24日〕。 * 自助原則の強調(「自分の命は自分で守る」) * 他者避難の促進(「我がためのみにあらず」) * 相互信頼の事前醸成 * 生存者の自責感の低減(亡くなった人からのメッセージ) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「津波てんでんこ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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