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津波石(つなみいし)は、津波によって岸に打ち上げられた大岩である。 == 概要 == 津波は大きなエネルギーを有しており、その押し波は高い水圧で海中の巨石などを運び、強い水流によって陸地の内部にまで運ばれる。特に、亜熱帯・熱帯地方の沿岸部では、サンゴ礁が石化してサンゴ石灰岩が形成され、潮汐による浸食を受けてキノコ状の岩礁になったり、岩塊となって海中に点在しているものが多数ある。これらは、比較的もろく比重も小さいため、津波によって一部が分離し、陸に打ち上げられやすい。 琉球諸島の巨礫は堆積の状況によって以下の3種に類別される。 # 砂丘に至るまでのリーフや海岸に位置するもの(on the reef and coast up to the sand dunes) # 砂丘より陸地側の低地に位置するもの(on the lowlands landward of the sand dunes) # 高い崖上に位置するもの(on the high cliff tops) これらの岩塊は大きさの割に比重が低いため、津波だけでなく台風などによる高波でも陸に打ち上げられることがある〔河名俊男:沖縄南部における南城市知念沖の礁嶺上の「ユイサー石」 -1951年ルース台風の高波によって打ち上げられた巨大なサンゴ礁岩塊- 琉球大学紀要論文,社会科論集2008 : 高嶋伸欣教授退職記念 p.161 -165〕。台風によって打ち上げられた石は台風石と呼ばれる〔河名俊男『琉球列島における完新世の津波と台風の高波による海岸地形変化 』〕。巨礫が津波起源のもの(津波石)なのか台風の高波起源のもの(台風石)なのかは内陸方向への移動距離で識別することができる〔 東北大学災害科学国際研究所、2013年9月13日〕。 ; モデル化 野路ら(1993)は、1771年明和大津波を例として移動した岩塊、津波波高(水深)、流速などの関係を整理し数理モデル(津波石移動モデル)を発表している〔野路正浩、今村文彦、首藤伸夫、津波石移動計算法の開発 海岸工学論文集 Vol.40 (1993) P176-180〕。この理数モデルは今村などにより改良され〔今村文彦、津波石移動計算法の改良 〕〔今村文彦、吉田 功、アンドリュー・ムーア、沖縄県石垣島における1771年明和大津波と津波石移動の数値解析 海岸工学論文集 Vol.48 (2001) P346-350〕、発見された津波石から津波や地震の規模を推定が行われる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「津波石」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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