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津波警報システム : ウィキペディア日本語版
津波警報システム[つなみけいほうしすてむ]

津波警報システム (つなみけいほうしすてむ、) は、津波を事前に探知して警報を発することにより、人的および物的被害の軽減を図るものである。津波を探知するセンサー網、および沿岸地域住民に避難する時間的猶予を与えるために十分な即時性をもった警報を発信できる通信インフラの2つの均しく重要な要素から成る。津波警報システムのタイプは、国際的レベル、地域的レベルの2つに区分される。運用される際は、注意や警告を促すために地震速報が利用される。その後、津波の存在を実証するために、(海岸部に設置された検潮儀あるいは海底津波計 (DART) ブイにより)観測された海面水位のデータが用いられる。これらの従来からある警報処置を改良するために、上記以外のシステムも提案されている。その一例としては、T波エネルギー(海洋中のSOFARチャンネルと呼ばれる層に捕捉された地震エネルギー)の継続時間と周期成分が地震の津波ポテンシャルの兆候を表すものだ〔Salzberg, 2006〕と示唆されている。
近年は津波早期警戒システム () との呼称も見られるが、ほぼ同義の語として用いられていると思われる。
== 歴史と予報 ==
地域社会に津波の襲来を警告する最初の初歩的なシステムは1920年代にアメリカ合衆国ハワイ州で試みられた。より先進的なシステムは、ハワイ州ヒロに甚大な被害をもたらした1946年4月1日(アリューシャン地震による津波)と1960年5月23日(チリ地震津波)の二度の津波を経験して開発された。
遠洋において約500 km/hから1,000 km/h (約0.14 km/sから0.28 km/s) で伝わる津波に対して、地震は地震波として概ね4 km/s (約14,400 km/h) の速さで伝達され、ほぼ瞬時に探知することが可能である。これによって、津波の発生可能性・予測の作成および津波の危険に脅かされる地域に向けた警報の発表を行うに足る時間的猶予を確保できる可能性が生まれる。だが、信頼できるモデルによって「どの地震が重大な津波を発生させるか」を予測することが可能になるまでは、モデルを用いる手法では、現行の手法による確証を得た警報よりもはるかに多くの誤報を発してしまうだろうと考えられている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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