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津波避難ビル : ウィキペディア日本語版
津波避難施設[つなみひなんしせつ]

津波避難施設(つなみひなんしせつ)は、津波から人命を守るために人為的に整備された施設をいう。ここでは、陸域にあって、土地や土地に定着するものを対象に記載する。
== 概要 ==
津波は波高が高く、かつ流速が早いため、海岸に到達後も地上奥深くまで遡上する場合がある。そのような津波の遡上をシミュレーション等によって確認し、津波が浸水することが想定される区域を「浸水想定区域」と呼ぶ〔「津波防災地域づくりに関する法律」(平成二十三年十二月十四日法律第百二十三号)第三条に基づく「津波防災地域づくりの推進に関する基本的な指針」(平成二十三年十二月二十七日)では、津波浸水想定により設定された浸水の区域を「浸水想定区域」としている。〕。津波からの避難は、津波外力による被害を避けるため、浸水想定区域の外の安全な土地に避難することが基本となる。
津波が遡上する範囲は、津波の規模や地形条件によって様々である。山や崖があれば、それにより一定の高さで遡上が止まり、平野であれば、水平距離により波力が減衰し遡上が止まる。また、東日本大震災では、仙台平野において高規格道路の盛土で津波の遡上が止まったことが確認されている。
津波の遡上が及ばない高台や盛土、遠方の土地に避難することが必要であるが、そのような土地に到達できない場合には、津波浸水想定区域内またはこれに隣接し、基準水位(津波浸水想定に定める水深に係る水位に建築物等への衝突による津波の水位の上昇を考慮して必要と認められる値を加えて定める水位)〔〕以上に避難できるスペースをもつ土地や工作物に避難することになる。また、これらの土地や工作物に至る階段やスロープを整備することになる。そのような津波避難を目的に(または目的の一つに)整備された土地、工作物、階段やスロープを津波避難施設とする〔津波避難施設の定義は特に定まったものはなく、各種ガイドライン等で示されている。「港湾の津波避難施設の設計ガイドライン」(平成25年10月国土交通省港湾局)では 「避難困難地域の避難者や避難が遅れた避難者が緊急に避難するための津波避難タワー等」を津波避難施設としている。なお、同ガイドラインでは「津波避難施設(A種類)」では「津波避難ビル、津波避難タワー、高台等がある。」ともしている。
〕。
また、浸水想定区域内にある津波避難を目的とする工作物を特に「津波避難ビル等」という。津波避難ビル等には、建築物によるものと、建築物以外の工作物によるものがある。
なお、浸水想定区域内にあっても、盛土等により土地の高度が増し、浸水想定区域外になるものもある。そうした土地の区域やそこに至る階段やスロープ等も津波避難を目的とするものは津波避難施設といえる。
 □津波避難施設(※津波避難を目的とするもの)
 ※ここでは、陸域にあって、土地や土地に定着するものを対象とする。
 ┗○津波浸水想定区域外━高台や盛土された土地
            ┗そこに至る階段やスロープ
 ┗○津波浸水想定区域内━工作物(津波避難ビル等)━建築物(津波避難ビル)
                         ┗建築物以外の工作物(津波避難タワー)

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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