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津軽弁(つがるべん)は、青森県津軽地方で話される日本語の方言である。東北方言(北奥羽方言)に属する。 共通語とは発音が大きく異なり、独特の言い回しが多いため、難解な方言として全国的に有名である。他県の人にはほとんど理解できないため、全国放送のテレビ番組では津軽弁に対して共通語の字幕を付けることが多い。津軽地方の医療現場で、地元出身でない医師や看護師が患者の津軽弁を誤認するという問題も起こっている〔患者の津軽弁、医師ら誤解多く 方言教育の重要性学会発表へ - 陸奥新報、2010年10月22日。〕。津軽弁を聞き慣れない人には外国語のように感じられることもあり、2010年には津軽弁とフランス語を聞き間違えるという内容の「トヨタ・パッソ」のCMが話題になった〔天地人 - Web東奥日報、2010年10月25日。〕。 津軽弁は青森県内のほかの方言(南部弁、下北弁)とも違いが大きく、青森県民同士でも互いの方言がわからず、相互の理解が困難となることもある。これを逆手に取り、青森県のローカルテレビ番組には南部弁話者に津軽弁の意味を当てさせるようなクイズ番組も存在する。津軽弁自体も、弘前市周辺部、日本海沿岸部(深浦・鯵ヶ沢周辺部)など地域によって微妙に異なる「津軽弁」が存在している。 よく知られた津軽弁の表現は、下にある「どさ」「ゆさ」である。長い文章を短く表現するという東北方言の特徴を端的に表しているが、道行く人にいきなり「どさ」と言っても言葉が足りないため通じないと思われる。「どごさ行ぐの」「湯さ行ぐどご」の省略形であり、「さ」は方向を表す助詞である。 津軽弁の方言詩人高木恭造の命日である10月23日は「津軽弁の日」である〔2007年10月号「3040」〕。1988年に伊奈かっぺいらを中心とする「津軽弁の日やるべし会」が制定したもので、毎年津軽弁による弁論大会などが開催されている。 しばしば、この方言が青森県内全域で使われていると思い込み「青森弁」と誤用されることがあるが、前述の通り大まかには「津軽弁」と「南部弁」と「下北弁」に分類される。 == 津軽弁のルーツ == 津軽弁は大和言葉をベースに、当時北海道から北東北に掛けて居住していたアイヌ人のアイヌ語が少し入っている。そのため、津軽弁の単語の中には、現在ほとんど使われない古語が転訛したと見られるものがしばしば見受けられる。 ; 大和言葉・古典漢語の転訛の例 * 「あげた・おどげ」→「上顎・下顎」の意→「顎門(あぎと)・頤(おとがい)」(大和言葉の転、「あぎと」の転訛した言葉は全国の方言に多く見られる) * 「てぎ」→「面倒」の意→「大儀」(漢語の転) * 「ほいど」→「強欲、けち」等の意→「陪堂(ほいと:現在の共通語ではあまり使われない仏教用語。物乞いのこと)」(漢語の転) ; アイヌ語に由来する単語 * 「ちゃぺ」→「ネコ」 * 「ばっけ」→「ふきのとう」 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「津軽弁」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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