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浮体式洋上風力発電 : ウィキペディア日本語版
浮体式洋上風力発電[ふたいしきようじょうふうりょくはつでん]

浮体式洋上風力発電(ふたいしきようじょうふうりょくはつでん)とは、洋上風力発電の一種で、洋上に浮かんだ浮体式構造物を利用する風力発電である。水深50mを超えると着床式では採算性が悪化するので、50m~200mの海域では浮体式風力発電機が設置される。
2009年にノルウェースタヴァンゲル洋上10kmに浮かぶHywindが世界で初めて実用化されて以降、ポルトガルのPóvoa de Varzim沖に設置されたWindFloatなど、世界各国で設置が進んでいる。今後もさらなる普及が期待されており、特に潜在的に最も主要なマーケットは日本であると、Hywindを供用したスタトイルハイドロ社は主張している〔Statoil wants Hywind in Japan ''Teknisk Ukeblad'', 4 April 2011. Accessed: 4 April 2011.〕。
日本は欧州などと異なり遠浅の海岸が少ないため、浮体式の実用化が洋上風力発電普及の鍵になると見られている。日本では、2011年に初の実証試験が長崎県五島市の椛島(かばしま)沖で実施され、2014年には日本初の浮体式洋上風力発電所であるふくしま未来(発電機の名称はMitsubishi SeaAngel)が福島県楢葉町沖20kmに設置された。2015年にはふくしま未来に世界初の大規模事業として集合型風力発電所が建設される予定である。〔〔国土交通省経済産業省は、国内外で事業展開しやすい環境を整備するため、安全基準の策定、技術開発、国際標準化を進める。〔 〕
== 概要 ==

外洋では風を遮るものが無いため、陸上や陸地に近い洋上よりも強く安定した風力が利用できるが〔、水深が深すぎるために着底式の風力タービンが建設できないことがある。浮体式構造物を利用することで、そのような場所でも風力発電を行うことが可能となる。
浮体式洋上風力発電のコンセプトはマサチューセッツ大学のWilliam E. Heronemus教授が1972年に考えついたものであるが、風力発電の商業性が確立された1990年代半ばに至って再注目され、ようやく実現に向けての本格的な研究が始まった。
既存の着底型の風力タービンによる洋上風力発電は水深30メートルのところまでに限られていたが、水深600メートルまでの外海における風力発電のリソースは比べ物にならないほど豊富であり、また海底電力ケーブルを介して海沿いにある都市まで送電するのは困難なことではない。
2009年現在までに、2つの浮体式洋上風力発電施設が操業された。
* Blue H
:Blue H は2007年12月、イタリアの洋上21kmに建設された初の浮体式洋上風力発電施設であるが、プロトタイプ機であり規模は小さい。一年にわたる実験計画を達成して各種の運用データを収集した後、2008年末をもって退役した。
* Hywind
:Hywind は2.3メガワットの発電能力を持つ、世界初の実用的な浮体式洋上風力発電施設である。ノルウェーの洋上10kmの北海にて2009年9月より運用を開始し、現在も運用中である〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「浮体式洋上風力発電」の詳細全文を読む



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